うつ病で休職中にやることは「順番」で決まります

みなさん、こんにちは。
就労継続支援A型事業所ONE STEP利用者のヒラヤマです。

「朝がつらい」

「何もできていない気がする」

「でも、早く戻らなければいけない」
ヒラヤマ自身、うつ病で休職していた経験があります。
そのとき一番しんどかったのは、「正しいとわかっていてもできない」という状態でした。
情報はたくさんある。
でも「早起きしなければ」「光を浴びなければ」「規則正しい食事を」と並べられるほど、できない自分への自責が積み重なっていった。
知っていることと、できることは違う。
この記事では、回復と復職準備のためにやることを「今日できるか・今週できるか・今は考えなくていいか」という時間軸だけで整理し直しています。
あのときうつ病で休職してた当時のヒラヤマが欲しかった記事を、後から書いた、ということです。
休職して3か月目。主治医はいる。でも、復職はまだ怖い。
そんな状態にある方に向けて、この記事を書いています。
うつ病の休職中に「全部やろう」とすると悪化する理由

「早起きしなければ」
「光を浴びなければ」
「規則正しい食事を」
これらの決意は、全部正しいです。
でも休職中に「全部やらなければ」と思うと、できなかった日の自責が次の日の消耗になります。
これは意志の弱さではなく、構造的に起きることです。
厚生労働省とりんかい月島・豊洲クリニック(2025年12月)の情報を合わせると、うつ病の状態では脳内の神経伝達物質の機能が低下し、朝にコルチゾールが過剰分泌されることで強い不安と絶望感が生まれやすい。
つまり、「朝が特に辛い」のは脳の状態であり、意志の問題ではないということです。
ここから導かれる結論は一つ。
「正しいこと全部」を目標にするのではなく、今の状態で始められる小さなことから順番に積む。これが、この記事全体の前提です。
うつ病の休職中、何をすればいい?まずは今日できること
①カーテンを開けて、窓辺に5分座る
朝の光が体内時計をリセットし、セロトニンの分泌を促すという効果は、りんかい月島・豊洲クリニックのコラムでも説明されています。
推奨は15〜30分とされています。
ただし、ヒラヤマが提案する「今日やること」は、15〜30分ではなく5分です。
理由は、「決めた数字に届かなかった」という事実が、自己嫌悪に直結するのを避けるため。
5分でも「今日ひとつやった」に変わる。
そのわずかな達成感が次の動作へのきっかけになります。
15〜30分は、5分が習慣になってから自然に伸びていきます。
やること:起きたら、まずカーテンを開ける。それだけ。
使えるもの:スマートカーテン(自動開閉カーテンレール)
「カーテンを開ける」という動作すら難しい日があります。 起床時間に合わせて自動でカーテンを開けてくれるスマートカーテンデバイスを使うと、起き上がる前から光が入ってくる環境を作れます。
「やる気が出たらやる」ではなく「仕組みで動く」という発想です。
② パジャマから着替える
着替えという動作が「活動モードに入る」合図として脳に働きかけます。
外出しなくていい。
着替えるだけでいい。
これを最初に挙げるのは、「今日できること」の中で最も難易度が低く、かつ「今日も何もできなかった」という感覚を防ぎやすいからです。
休職中は「できたこと」の絶対数が減っている。
だからこそ、確実にできる小さな行動を一つ持っておくことが重要です。
やること:起きたら着替える。外出しなくていい。
③ 睡眠の「量」を目標にするのをやめる
「今日は5時間しか眠れなかった」と朝から落ち込んでいませんか。
厚生労働省の「こころの耳」では、不眠とうつ病が互いに悪化させ合う関係が示されています。
睡眠の問題は回復に直結する。
でも「何時間眠るか」に執着すること自体が新たなストレス源になります。
今日やることは、睡眠の量の管理ではなく就寝前の環境を一つだけ変えることです。
次の3つの中から、今日一つだけ選んでください。
- 午後2時以降のカフェインをやめる
- 寝る前にぬるめのお湯で入浴する
- スマートフォンを寝る1時間前に手の届かない場所に置く
最初に選ぶとしたら「午後2時以降のカフェイン」です。
入浴は疲れてできない日がある。
スマートフォンは意志力を使う。
カフェインは飲まなければいいだけで、「できなかった」という状況が生まれにくい。
使えるもの:睡眠計測アプリまたはウェアラブルデバイス
「量ではなく質を整える」と言っても、質が改善しているかどうかを感覚で判断するのは難しいですよね。
そこで睡眠スコアや深睡眠の時間を記録するアプリやスマートウォッチを使うと、「今日は浅かった」「昨日より深く眠れた」という変化が数字で見えてきます。
「眠れていない」という漠然とした不安が、具体的な情報に変わります。
うつ病の休職中、何をすればいい?今週続けること
④毎日同じ時間に起きる(週末も含めて)
訪問看護ステーションかがやきでは、復職可能な状態の目安として「毎日のリズムが2週間以上続いているか」を挙げています。
何時に起きるかより「同じ時間に起き続けること」のほうが重要、ということです。
見落とされやすいのが週末。
平日は起きられていても、週末に寝坊すると月曜にリセットされる。
「週末も同じ時間に」という部分が、この習慣の核心です。
このステップでつまずく理由のほぼ全ては「完璧にやろうとすること」です。
1日崩れたとき「もうダメだ」とリセットしてしまう。
大事なのは崩れた翌日もまた同じ時間に起きること。7割続けることが目標です。
使えるもの:スマートアラームアプリ
通常のアラームは設定した時刻に強制的に鳴らすだけですが、スマートアラームは睡眠の浅いタイミングを検知して、起きやすい瞬間に合わせてアラームを鳴らします。
「起き上がれない」という状態の一因が覚醒のタイミングにある場合、このアプローチが助けになることがあります。
⑤ 食事を1日3回、だいたい決まった時間に食べる
動けない日が続くとき、食事を抜いていませんか。
これが意外と重要で、食事はエネルギーの補給です。
エネルギーが枯渇していると、ますます動けなくなる。
「何もできない」という状態の一部は、単純にエネルギー不足が原因になっていることがあります。
ニューロリワーク名古屋センターのブログでも、脳の回復に必要な要素として「睡眠・食事・運動・ストレスケア・知的刺激・人間関係」の6点が挙げられており、食事は睡眠と並ぶ土台の一つとして位置づけられています。
今週から始めるとしたら食事です。
理由は、睡眠と違って「できた・できなかった」の判断がシンプルだからです。
「食べた」という事実は記録しやすく、自責に変わりにくい。
達成感を積みやすいという点で、回復初期の習慣として向いています。
内容は問いません。
コンビニでもいい。
栄養バランスは今は考えなくていい。
「だいたい同じ時間に、3回食べた」という事実だけを積むことが目的です。
⑥ 夜に3行だけ記録する
毎日が似たように辛いとき、「ちっとも良くなっていない」という感覚が生まれます。
でも実際には少しずつ変化している。
その変化に自分で気づけないのが、回復期の特徴です。
訪問看護ステーションかがやきでは、睡眠・食欲・気分を記録する「セルフモニタリング」が再発予防の核と説明されています。
ただヒラヤマがここで強調したいのは、これは再発予防のためだけでなく、「自分が少しずつ変化している」という事実を数字として自分で確認するために使えるということです。
感覚ではなく数字として見える変化は、「回復していない」という漠然とした不安を具体的に崩してくれます。
- 今日の睡眠:○時間
- 今日の外出:○分
- 今日の気分:1〜5点
この3行だけ。
1か月続くと、「3週間前より外出できている」「気分の波が小さくなってきた」という変化が数字として見えてきます。
使えるもの:気分・体調記録アプリ
上記の3項目をメモアプリで記録してもいいですが、気分や体調を記録することに特化したアプリを使うと、グラフで変化が可視化されます。
「数字として見える変化」という効果が、視覚的に強くなります。
継続しやすい設計になっているものが多いのも利点です。
うつ病の休職中、何をすればいい?
今は考えなくていいこと

ここが、この記事で最も重要なセクションです。
「正しいとわかっていても今じゃない」ものを明示します。
これを読んで「やらなくていいんだ」と思えた方は、今日から少し消耗が減るはずです。
「近所を歩く」は、今週じゃなくていい
運動が回復に有効であることは確かです。
ただし運動を習慣にするには、まず「毎日外に出ていい時間帯がある」という感覚が先に必要です。
食事と睡眠が安定してきてから始めると、義務感ではなく自然に始めやすくなります。
「運動しなければ」という状態で始めると、できない日の自責が生まれるだけです。
光療法ライトは、今すぐ買わなくていい
効果はあります。
ただ「カーテンを開けて5分座る」が習慣になってから、曇りの日や外に出られない日の補助として検討すれば十分です。
土台になる行動が先、道具はその後です。
認知行動療法(CBT)は、生活が安定してから
CBTはうつ病の再発予防に有効で、復職準備において重要な役割を占めます。
ただしこれは「今回なぜ倒れたのかを振り返る」作業を含むため、生活リズムが安定していない状態で始めると消耗します。
今日・今週の習慣が安定してきてから、主治医やカウンセラーと一緒に取り組めば十分です。
復職の具体的な段取りは、
主治医から「準備を始めていい」と言われてから
「早く戻らなければ」という焦りで、復職のスケジュールや会社への連絡を考え始めていませんか。
訪問看護ステーションかがやきでは、復職を検討できる状態の目安として「日中活動・夜就寝のリズムが2週間以上続いているか」「主治医の許可があるか」を挙げています。
この2つが揃っていない段階での復職準備は、回復を遅らせるリスクがあります。
復職の段取りを考えるのは、主治医から「準備を始めていい」という言葉をもらってからで間に合います。
それまでは、今日・今週のことだけ考えていい。
一人でやろうとしている方へ

一人暮らしで、話せる相手がいない状態でこれを読んでいる方もいると思います。
独立行政法人JEEDの東京障害者職業センター(リワークセンター東京)は、休職中の方を対象とした公的なリワーク支援機関で、平成26年度以降3,200人以上が利用し、毎年80%以上の方が職場復帰を果たしているデータがあります。
この記事で整理した習慣を、専門家のサポートと本人・会社・主治医の3者連携の仕組みの中で進められます。
沖縄在住の方へ:県内にも同様の支援機関があります
JEEDは全国に支部があり、沖縄の窓口は沖縄障害者職業センター(那覇市おもろまち)です。
東京センターと同じ公的なリワーク支援を、沖縄で受けられます。
申し込みは随時受け付けており、主治医・会社が復職に向けた活動開始に同意していることが利用の条件です。
民間の選択肢としては、2013年に沖縄で初めて民間リワーク支援事業を立ち上げたBowL(浦添市)、就労移行支援と復職支援の両方に対応するLITALICOワークス沖縄(沖縄市)があります。
「一人ではうまくいかない」と感じたとき、選択肢として知っておいてください。
まず主治医に相談するのが一番の近道です。
回復は「元の職場に戻る」だけじゃない

ここからが、少しだけ大事な話です。もしあなたが、
- 元の環境に強いストレスを感じていた
- フルタイムが限界だった
- 人間関係で消耗していた
そうなら、「戻る」以外の選択肢もあります。
それは逃げではありません。
体調に合わせて、働き方を整え直すということです。
週5日・8時間勤務に一気に戻るのは、想像以上に負荷が高いものです。
だからこそ、『段階的に働く』という道があります。
たとえば、支援を受けながら短時間から始める働き方。
その一つが 就労継続支援A型事業所 という制度です。
- 雇用契約がある
- 支援員がいる
- 体調の相談ができる

「いきなり戻るのが怖い」
そんな人にとって、中間地点になることがあります。
ただし、ネットの情報だけで決めないでください。
復職でも、A型でも、最優先は主治医への相談です。
大切なのは、焦って二択にしないこと。
「戻る」か「辞める」か、だけではありません。
体調に合わせて“段階的に働く”という道もある。
今すぐ決めなくていい。
ただ、その選択肢があることだけ、覚えておいてください。

