内地のお盆とは別物! │ 沖縄の旧盆、先祖を迎える心温まる伝統行事

先祖とのつながりと地域文化が詰まった3日間「旧盆」

沖縄の旧盆を体感!
先祖とのつながりと地域文化が詰まった3日間

沖縄県外の人から見たら不思議な風習「旧盆」
沖縄県外の人から見たら不思議な風習「旧盆」

 皆さん、こんにちは。
 就労継続支援A型事業所ONE STEP利用者のヒラヤマです。

 毎年、この時期(8月下旬以降)になると、沖縄全体が独特の空気に包まれます

「夜の太鼓の音が聞こえてきた…もう旧盆なのね。」

「そろそろ親戚に連絡しなきゃ。みんな集まるから大忙し」

「お墓の掃除、今年もちゃんとやらなきゃな。
 亀甲墓は広いから結構大変なんだよなぁ……。」

「スーパーにお供え用の果物とか並んでる。もう旧盆の季節ね」

「あの子たち、普段はふざけてばかりなのに、太鼓を持つと真剣そのもの。
 旧盆が来たって感じだな。」

 沖縄では毎年夏、旧暦に合わせて行われる「沖縄の旧盆(きゅうぼん)」があります
 太鼓やエイサー、お墓でのごちそう、ウチカビなど独特の風習が詰まった3日間で、先祖を迎え供養する大切な行事です。
 この時期は、親戚や家族が一斉に集まり、街の雰囲気もガラッと変わります。
 「ご先祖さまを迎える行事」であることは、「内地のお盆」も「沖縄の旧盆」も同じです。
 ところが、そのやり方や雰囲気は、とてもユニーク。

 「先祖とのつながり」と「地域の文化」がギュッと詰まった3日間。

 太鼓の音やエイサーの踊りが夜の街に響いたり、お墓で食事をしたりと、県外の人からすると「え、そんなことするの!?」と思う独特の風習もいっぱい。
 ですが、それが沖縄の旧盆なんです。

 この記事では、そんな沖縄の旧盆について、わかりやすく紹介していきます。

沖縄の旧盆とは? 歴史・風習・3日間の過ごし方

 沖縄の「旧盆(きゅうぼん)」は、簡単にいうと先祖の霊をお迎えして、みんなで供養する行事です。
 日本の本土にもお盆がありますよね。
 でも沖縄の場合は旧暦でやるため、毎年日付が変わります
 だいたいは、旧暦の7月13日〜15日の3日間に行われることが多いです。

 沖縄の旧盆(旧暦7月13日〜15日)は、迎え盆(ウンケー)から中日(ナカヌヒー)、送り盆(ウークイ)までの3日間。亀甲墓や破風墓といった沖縄独特のお墓で先祖供養を行い、エイサーやウチカビなど伝統行事が行われます
 この時期になると、沖縄の人たちは親戚みんなで集まってご先祖さまを迎えたり送り出したりします。
 街の雰囲気もどこか特別で、太鼓やエイサー、ウチカビなどの独特の風習が彩る、沖縄ならではの3日間です。

旧盆の3日間の流れ
(ウンケー・ナカヌヒー・ウークイ)

沖縄の旧盆とは?(おおまかな流れ)
沖縄の旧盆とは?(おおまかな流れ)
ウンケー
(1日目・迎え盆)
 ご先祖さまが帰ってくる日。
 お墓に行ったり、家にお供えをして「いらっしゃいませ〜」ってお迎えします。
ナカヌヒー
(2日目・中日)
 旧盆の真ん中。親戚や家族で集まってワイワイごはんを食べたり、お墓参りしたり。ちょっと賑やかな日です。
ウークイ
(3日目・送り盆)
 ご先祖さまをあの世にお見送りする日。
 地域によってはエイサー(太鼓を叩いて踊るやつ)が登場して、かなり盛り上がります。

沖縄の旧盆の風習
お墓でごちそう/エイサー/ウチカビ

沖縄の旧盆の風習(お墓でごちそう/エイサー/ウチカビ)
沖縄の旧盆の風習(お墓でごちそう/エイサー/ウチカビ)

お墓でごちそうを食べる!?

 沖縄の旧盆でちょっとびっくりするのが、お墓でごちそうを広げて食べる風習。

「え、お墓で!?怖くない?」

 と思うかもしれません。ですが、沖縄ではとってもポジティブな行事なんです。

そもそも沖縄のお墓はデカい!

 まず知ってほしいのが、沖縄のお墓は本土のお墓と全然ちがうこと
 「亀甲墓(かめこうばか)」や「破風墓(はふばか)」と呼ばれる独特の形をしていて、まるで小さな家みたいに大きいんです。
 庭のようなスペースもあって、家族や親戚が集まれるようになっているんですよ。

ご先祖と一緒にごはん

 旧盆の時期になると、その広いお墓に親戚みんなが集まって、お供え物やごちそうを並べます
 お墓の前でワイワイごはんを食べるのは、「ご先祖さまと一緒に食卓を囲む」という意味があるんです。だから雰囲気も明るく、まるで親戚のピクニックみたい。
 「ご先祖も一緒に楽しんでるはず!」という発想が、なんだか沖縄らしくて温かいですよね。

旧盆のハイライト! 『エイサー』ってなに?

 沖縄の旧盆を盛り上げる最大のイベントといえば、やっぱりエイサー!
 夜になると、若者たちが太鼓をドンドン叩きながら踊り歩く迫力満点の伝統芸能です。
 旧盆の時期になると、街中のあちこちで太鼓の音が鳴り響いて、「あ、旧盆が来たな〜」と感じる人も多いんですよ。

エイサーの起源

 エイサーは、もともと先祖の霊を供養するための踊り
 踊りながら太鼓を打ち鳴らし、歌を歌い、地域の青年たちが集落を練り歩いて、ご先祖さまを賑やかに送り出す役割を持っていました。
 つまり「ウークイ(3日目・送り盆)」を華やかにするための踊りなんです。

演舞のスタイル

 太鼓、歌、踊りが一体となって、独特のリズムと熱気を生み出すのがエイサーの魅力です。

大太鼓(おおだいこ) 大きな太鼓を力強く打ちながら踊る。迫力満点!
締め太鼓(しめだいこ) 小さめの太鼓で軽快なリズムを刻む。動きもキレッキレ。
手踊り(ておどり) 女性や子どもが多く参加する優雅な踊り。 華やかさをプラスします。

旧盆とエイサー

 旧盆の最終日「ウークイ(送り盆)」の夜に行われることが多いです。

 「賑やかに送り出すことで、ご先祖も安心して帰っていける」

 そんな想いが込められています。
 地域によっては、エイサーの一行が家々を回って踊るところもありますよ

エイサーの練習風景もアツい!

 旧盆が近づくと、どこの地域でも夜な夜なエイサーの練習が始まります。
 学校帰りの子どもたちや青年会の若者たちが集まって、太鼓の音を響かせながら一生懸命に練習する姿は、まさに夏の風物詩
 面白いのが、普段ちょっとヤンチャしてそうな若者や、いわゆる“ヤンキー”っぽい子たちも、この時期になるとめちゃくちゃ真剣に太鼓を叩いてること(笑)
 エイサーは地域の誇りでもあるから、みんな本気になるんです。
 夜の住宅街に「ドンドン!」と太鼓の音が響いてきて、「あ、もうすぐ旧盆だな〜」って感じさせてくれるのも、沖縄ならではの雰囲気ですよ。

『ウチカビ』であの世に仕送り!?

 沖縄の旧盆ならではのもうひとつの風習が、「ウチカビ」です。
 ウチカビとは、あの世のお金として紙で作ったお札のこと。
 これを燃やしてご先祖に渡すことで、「あの世でも困らないように」と祈る意味があります
 お墓でごちそうを囲んだあとは、家やお墓でウチカビを燃やすのが一般的。
 燃やす瞬間には「パチパチ」と紙がはぜる音がして、なんだか神秘的な雰囲気です。

  • 見た目は普通の紙だけど、ご先祖への思いがギュッと詰まった「あの世のお金」
  • 家族みんなで燃やすので、温かい気持ちも一緒に送れる感じ

 ウチカビの習慣も、沖縄の旧盆のユニークさを象徴する行事のひとつ。

<絶対遵守! 沖縄のタブー>
旧盆は海に入るべからず?

旧盆期間中は、海に入るのはNG
旧盆期間中は、海に入るのはNG

 沖縄には、いくつかのタブーがあるのをご存じですか?
 そのひとつが、「旧盆の期間中は、海に入ってはいけない」というもの。

 「え、なんで? あんなにも綺麗な海が、目の前にあるのに!?」

 って思いますよね。でも、これにはちゃんと昔からの理由があるんです。

なんで旧盆に海に入っちゃダメなの?

先祖の霊が近くにいるから 旧盆は、ご先祖さまがこの世に帰ってくる特別な時期。
 沖縄では海が「ニライカナイ(神さまやあの世がある場所)」につながってると考えられています。
 だから、「旧盆に海に入ると霊に引き込まれてしまう」なんて言い伝えがあるんです。
 ちょっとゾクッとしますよね。
天気が荒れやすいから 旧暦の7月は、ちょうど台風シーズン。
 急に雨がザーッと降ったり、海が荒れたりしやすい時期。
 だから「危ないから入らないほうがいいよ〜」って昔の人が伝えてきたとも言われています。

 理由はいろいろ。ですが、どちらにしても、旧盆の海はちょっと特別な感じがして、地元の人(ウチナーンチュ)もなんとなく敬遠するんですよね。

太鼓の音も、ごちそうも、ウチカビも。
沖縄の旧盆は心温まる3日間

沖縄の旧盆は心温まる3日間
沖縄の旧盆は心温まる3日間

 最近アニメ化された『沖縄で好きになった子が方言すぎてツラすぎる』の#6『沖縄そばって叫びたい!』でも、旧盆のエピソードが描かれていました。

 登場人物たちが太鼓の音やエイサーの練習に触れたり、お墓でごちそうを囲んだりする様子は、アニメを通しても沖縄の旧盆の独特の雰囲気や温かさが伝わってきます。

  • 街の夜に響く太鼓の音(沖縄の旧盆の風物詩)
  • ヤンチャな若者も真剣になるエイサー(旧盆の伝統芸能)
  • 亀甲墓での賑やかなお墓ごはん(沖縄独自の風習)
  • 先祖に思いを届けるウチカビの儀式

 沖縄の旧盆は、ただのお盆ではありません
 先祖への思いや地域の人々の温かさがぎゅっと詰まった、沖縄ならではの特別な3日間なのです。

【番外編】沖縄で好きになった子が方言すぎてツラすぎる

沖縄で好きになった子が方言すぎてツラすぎる
あらすじ 沖縄に転校した中村照秋(てーるー)は、同じクラスの喜屋武さんを好きになった。
 これで夢の高校生活が始まる…!と思いきや、彼女の話すうちなーぐち(方言)がさっぱり理解できない!!
 そんな彼女の方言を訳してくれる比嘉さんには、いつも助けられてばかりいるのだが……実は比嘉さんは、てーるーに片想い中!?
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