障害者雇用が過去最高!
変化する就労ニーズと【支援の質】が不足している現状

みなさん、こんにちは。
就労継続支援A型事業所ONE STEP利用者のヒラヤマです。
近年、社会全体で、障害のある皆さんの「働きたい!」という熱い気持ちを心から応援するムードが高まってきています。
これは、厚生労働省の集計結果にて、雇用障害者数、実雇用率ともに過去最高を更新していることからも明らかです。
働く環境はどんどん変化していて、特に精神障害や発達障害を持つ方々の雇用が増えるなど、サポートのニーズも多様化しています。
しかし、この変化の中で、「あなたの働くを支える専門家のレベルアップと人数が足りない」という課題が浮かび上がってきました。
仕事(雇用)と生活サポート(福祉)の両方に詳しく、途切れのないスムーズな支援ができるプロが不足しているのです。
この課題を解決し、皆さんがもっと働きやすくなるために、国(厚生労働省)で誕生が決まった新しい資格があります。それが、【障害者就労支援士】(仮称)です!
この記事では、この新しいプロの資格が、皆さんの就職や、職場で長く楽しく働くことに、どう役立ってくれるのかを、わかりやすくご紹介します。
(※当記事は、2025年10月22日現在の情報をもとに作成しています。)
【 目 次 】
- 【資格のメリット】質の高いサポート 安定的に受けられる理由と支援者のキャリア
- 合理的配慮、労働法規、生活支援…【障害就労支援士】がカバーする、働くための全領域
- 【障害者就労支援士】と福祉サービス「就労選択支援」の違いを解説! 働くための適性評価を成功させるプロの役割
- 支援のプロ化で「質のムラ」解消へ! 【障害者就労支援士】がキャリアアップする仕組み
- 職場定着の鍵は「生活の土台」安定! 働くを支える生活支援と医療連携の重要性
- あなたが知っておくべき3つのキーポイント! 【障害者就労支援士】創設がもたらす変化
【資格のメリット】質の高いサポートを
安定的に受けられる理由と支援者のキャリア
支援士の役割:仕事と生活の「橋渡し役」

障害者就労支援士は、「障害のある人の雇用と、働くことへのサポートについて、バッチリとした知識と技術を持っている人」として国が進めている「中級レベルのプロ」です。
この支援士が目指す役割は、ズバリ!
- あなたの仕事(会社)と生活(福祉)の間に立って、橋をかけること
- ジョブコーチ支援の考え方(職場での個別サポート)をベースに、皆さんが希望通りに就職し、職場に長く定着できるようにサポートすること
なぜ新資格が必要なの? あなたが質の高い支援を受けるため!
この資格が作られるのは、皆さんがより良いサポートを受けられるようにするためです。
特に、支援する側の「質」の安定と「数」の確保が大きな目的です。
- サポートの質の安定
- 支援者が体系的に知識を学び、ムラのない質の高いサポートを提供できるようになります。
- プロの技術を正しく評価
- 支援者の技術が「ものさし」として評価され、待遇改善につながります。これにより、信頼できるプロが長く現場で皆を支えてくれるようになります。
合理的配慮、労働法規、生活支援…
【障害就労支援士】がカバーする、働くための全領域

障害者就労支援士の試験科目には、あなたの就労を横断的にサポートするための「何でも知ってるリスト」が詰まっています。
この知識を持つ専門家は、あなたの働く上で必要なサポートを網羅的に提供できます。
また、この分野の知識が豊富な支援士は、皆さんの安心に直結します。
あなたに直接関わるサポートの知識(1〜3番目のチカラ)
| No. | 専門知識のテーマ | あなたの安心につながるサポート |
| 1 | 働くことの土台と法律 | あなたの権利を守る法律の仕組みを理解。 会社とサポート側がタッグを組む方法を知っています。 |
| 2 | サポートの計画作り | あなたの得意・苦手を評価し、働くためのスキルを身につけるあなた専用の計画を一緒に作れます。 |
| 3 | 仕事探しと長く働くコツ | ハローワーク活用や会社探し、そして一番大事な職場定着のための具体的なサポート技術を持っています。 |
専門的な配慮と環境調整の知識(4〜6番目のチカラ)
| No. | 専門知識のテーマ | あなたの安心につながるサポート |
| 4 | 障害特性とあなたに合わせた工夫 | 身体、精神、発達障害、難病など幅広い理解に基づき、仕事で困るポイントを把握。 合理的配慮を具体的に会社に提案できます。 |
| 5 | お給料や休憩時間の法律 | 労働契約、労働時間、賃金など、皆さんが安心して働くための法律の基本を知っています。 年金や社会保険についても相談に乗れます。 |
| 6 | 会社へのバッチリなアドバイス | 会社側が何を考えているかを理解し、皆さんの採用や定着のために、企業へ具体的なアドバイスや助成金活用などを提案できます。 |
生活とスキルに関わる知識(7〜10番目のチカラ)
| No. | 専門知識のテーマ | あなたの安心につながるサポート |
| 7 | サポートチームのまとめ役 | 就労移行支援などの福祉サービス、病院など、さまざまなサポート機関と連携し、あなたに最適な最強チームを作ります。 |
| 8 | 生活の安定のサポート | 職場定着の土台となる体調管理や金銭管理など、生活全体の安定を図るサポートもしてくれます。 |
| 9 | あなたの「強み」を見つける方法 | あなたとの会話や職場実習を通して、あなたの「すごいところ」(強み)に焦点を当て、あなたが望む働き方をハッキリさせます。 |
| 10 | 企業での雇用のリアル | 会社が採用で重視することや、現場で行われている配慮の事例をリアルに理解し、会社とあなたのニーズを正確に結びつけます。 |
【障害者就労支援士】と福祉サービス「就労選択支援」の違いを解説!
働くための適性評価を成功させるプロの役割

あなたがこれから「働く」ことを考えたときに、耳にするかもしれない「就労選択支援」という言葉。今日、ご紹介している「障害者就労支援士」は、同じ就労サポートの分野で使われますが、役割がまったく違います。
簡単に言うと、
- 就労選択支援: 皆さんが「自分に本当に合う仕事や働き方」を選ぶために利用する新しい福祉サービス(プログラム)のこと。
- 障害者就労支援士: そのサービスを含め、皆さんの働く全てを支えるプロの技術を証明する「資格」のこと。
つまり、「就労選択支援」というプログラムを、「障害者就労支援士」というプロがサポートしてくれるイメージです!
2025年10月から始まる「就労選択支援」とは?
これは、2025年10月頃から本格的にスタートする予定の、新しい障害福祉サービスです。
| 就労選択支援の概要 | 皆さんにとってのメリット | |
| 分類 | 障害福祉サービス (制度・プログラム) | 国が認めた仕組みで、安心して進路を選べる! |
| 目的 | あなたに合った就労先や働き方を選択できるようサポートする。 | 「どんな仕事が向いているか?」をプロと一緒にじっくり探せる! |
| 対象 | 新たに就労系サービス(就労移行支援、継続支援など)の利用を希望する障害のある方 | 就労系サービス利用前に、自分の適性を確認できる |
| 期間 | 原則1ヶ月間(短期間で集中的に実施) | ダラダラ長引かず、集中して自分の進路を考えることができる。 |
| 主な内容 | 就労アセスメント(短期間の作業体験や評価)と、その後の進路会議 | 作業を通じて、あなたの能力や必要な配慮を明確にできる。 |
「資格」と「サービス」! 両者の切っても切れない関係
「障害者就労支援士」(資格)と「就労選択支援」(サービス)は、以下の点で密接に関連し、あなたのサポートの質を高めます。
| 障害者就労支援士 (資格) | 就労選択支援 (サービス) | 関係性 (あなたへのメリット) | |
| 分類 | 専門人材を認定する資格 | 障害福祉サービス (制度) | プロの技術(資格)がサービスの現場で活かされます! |
| 機能 | 就労支援全般に関する中級レベルの総合知識の証明 | 就労アセスメント(適性評価)を通じて進路を決定 | 支援士が持つアセスメントの専門知識が、あなたの適性評価を正確にします。 |
| サポート人材 | 幅広い専門職(支援員、企業担当者など)が取得。 | 就労選択支援員(専用研修修了者)が提供 | 支援士の資格は、支援員自身のスキルアップを加速させるツールです! |
| キャリア | 取得で基礎的研修が免除となる可能性あり。 | 支援員になるために基礎的研修の修了が求められる | 支援士資格は、新しいサービスを担うプロの育成をスムーズにします! |
支援のプロ化で「質のムラ」解消へ!
【障害者就労支援士】がキャリアアップする仕組み

支援士の資格は、この分野で働く人たちのスキルアップを強力に後押しし、結果として皆さんが受けるサポートの質を向上させます。
キャリアパスの明確化と質の向上
この資格を取得する最大のメリットの一つは、専門研修へのルートがスムーズになることです。
資格を持てば、就労支援の仕事に必須の基本的な研修が免除されます。
- 最新の専門支援を早く受けられる
- 資格を持つ専門家は、より高度な専門研修へスムーズにステップアップでき、皆さんに最新で専門的な支援を早く提供できるようになります。
- プロの活躍の場が広がる
- 職場サポートの専門家であるジョブコーチになるための研修も免除ルートが開き、優秀な支援員がジョブコーチとして活躍しやすくなります。
支援の「属人化」を防ぎ、安定したサービスへ
これまで、支援の技術が特定の職員にしか共有されていない「属人化」が問題になることがありました。
障害者就労支援士の資格は、全国共通の知識体系を持つプロを育成することで、支援のノウハウを標準化します。
これにより、どの支援員からサポートを受けても、質のムラが少なくなり、皆さんが一貫性のある、安定したサービスを受けられるようになります。
職場定着の鍵は「生活の土台」安定!
働くを支える生活支援と医療連携の重要性

長く働き続けるためには、仕事のスキルだけでなく生活の安定が不可欠です。支援士は、皆さんの「生活の土台」を支えるエキスパートでもあります。
職場定着は「生活の土台」から始まる
支援士の知識には、生活全般の安定を図るサポートが欠かせません。
彼らは、皆さんの体調や生活の変化に対応して、仕事と生活を両立させるためのサポートを、福祉サービスと連携しながら進めます。
【サポートの例】
- 体調管理・服薬管理のアドバイス
- 管理や住居など生活課題の整理
- ライフステージの変化(結婚、引っ越しなど)に応じた支援の再調整
医療・福祉の垣根を越えた「強力チーム」
この資格は、病院で働く人や相談支援事業所の職員も取得対象です。
皆さんの就労サポートは、会社・福祉・医療・教育が手を組んだ「チーム戦」で実現されるべきだという、国の強い方針が示されています。
- 医療機関との連携
- 特に、精神障害や難病を抱える方の場合、体調の変化に合わせたお医者さんや看護師さんとの密な情報共有が必須です。支援士は、医療情報に基づいた最適なサポートを組み立てます。
- 地域資源の活用(訪問看護の例)
- 自宅での安定した生活を支える訪問看護サービスは、体調管理や心のサポートを行い、皆さんの「働く安心」を守る重要な土台となります。支援士は、このような多様な地域サービスを上手に活用し、すべてが一体となったチームをまとめあげる司令塔の役割も担うのです。
あなたが知っておくべき3つのキーポイント!
【障害者就労支援士】創設がもたらす変化

【障害者就労支援士】は、あなたの働くをトータルで支える「中級レベルのオールラウンダー」の証しです。
この資格の誕生は、「障害のある方が能力を発揮し、安心して長く働ける社会」を目指す、日本の雇用と福祉における大きな一歩です。
働く皆さんに改めて伝えたいこと:【3つのキーポイント】
- 自分の「働く権利」と「安心」を知ろう!
- 支援士が学ぶ知識は、あなたの権利や、働く上で必要な合理的配慮を会社に提案する力になります。
- 一緒に制度を賢く活用しましょう!
- プロのサポートが、あなたの未来を安定させる!専門家が増えることで、あなたのサポートの質が全国で安定して高まります。あなたが能力を発揮してイキイキ働ける社会がグッと近づきます。
- 仕事の安定は「生活のチーム戦」で決まる!
- 長く働くには生活の安定が必須です。必要なときは、病院や訪問看護を含む地域の「強力チーム」をフル活用することが大切。支援士は、このチームをまとめあげる司令塔になります。
障害者就労支援士の検定は、2027年度後半から始まる予定です。
この新しいプロたちが、あなたの仕事と生活をつなぐ最高に頼れるパートナーとなり、皆さんが希望を持って働き続けられる社会を一緒に築いてくれることを期待しましょう!

