障害と向き合う人々の物語:観るべき映画7選【邦画 編】

障害を題材にした邦画7選
  • 2025年8月20日:投稿

 映画が教えてくれること。
障害について知る第一歩を踏み出そう

障害を題材にした邦画7選
障害を題材にした邦画7選

 みなさん、こんにちは。
 就労継続支援A型事業所ONE STEP利用者のヒラヤマです。

 皆さんは「障害」という言葉を聞いて、どんなことを思い浮かべますか?
 少しむずかしく感じたり、自分とは関係ないことのように思えるかもしれません。
 でも、実はそうではないんです。

 今回ご紹介する日本の映画は、私たちの心の中にある見えない壁をそっと取り払ってくれます。
 時には胸が締め付けられるような痛みを通して、知らなかった世界を教えてくれることもあります。
 これらは決して、ただ楽しいだけの物語ではありませんが、きっとあなたの心に深く響き、新しい気づきを与えてくれるはずです。

 さらに、すぐに観られる動画配信サービスや、手元に残せるDVD・Blu-rayのリンクもまとめています。映画を観たくなった時に、すぐにアクセスできるので、ぜひ参考にしてください。

障害をテーマにした映画の魅力

障害をテーマにした映画の魅力
障害をテーマにした映画の魅力

 映画を見ると、登場人物がどんなふうに工夫して生活しているかや、家族や友人の支え方、障害を持つ人の気持ちまで自然に感じられます。
 文字だけや説明だけでは伝わりにくい、日々の困りごとや気持ちを、映像を通して具体的に体験できるからです。
 たとえば、次のようなことが学べます。

  • 登場人物が生活の中で工夫している様子
    • 車椅子の使い方や手の不自由さを補う道具の工夫、
      日常生活のちょっとした工夫まで、
      映画を通して自然に理解できます。
    • 「こうやって工夫すれば生活しやすくなるんだ」と
      気づくこともあります。
  • 周りの人がどんな支え方をしているか
    • 家族や友達、学校の先生など、
      周囲の人がどんなふうに
      手助けしているかも描かれます。
    • たとえば声をかけるタイミングや手伝い方、
      励まし方など、具体的な例を見ることができます。
  • 困難に直面したときの気持ちや考え方
    • 思うようにできないもどかしさや、
      少しずつ努力して達成した喜びも伝わります。
    • 障害を持つ人が毎日、
      どんな気持ちで過ごしているのかを
      理解するヒントになります。

 こうして映画を観ることで、障害について学ぶだけでなく、日常生活での声かけや接し方も考えられるようになります。
 さらに、映画をきっかけに家族や友達と話してみると、理解がもっと深まるのも大きな魅力です。

障害を題材にしたおすすめ邦画7選

1.博士の愛した数式(2005年製作/117分)

博士の愛した数式(2005年製作/117分)
博士の愛した数式(2005年製作/117分)

解説・あらすじ 家政婦として働くシングルマザーの杏子(深津絵里)が次にお世話をすることになったのは、交通事故の後遺症で、たった80分しか記憶がもたない天才的な数学博士(寺尾聰)でした。
 何を話していいか混乱すると、言葉の代わりに数字を持ち出す博士。 そんな彼の純粋さと、語られる数式の美しさに、杏子と彼女の10歳の息子は次第に魅了されていきます。
 博士は息子を「ルート(√)」と名付け、3人は心を通わせていきます。 やがて、母子は数式に秘められた美しい言葉の意味を知り、博士の痛ましい過去も明らかになっていくのでした。
 「阿弥陀堂だより」や「雨あがる」で知られる小泉堯史監督が、小川洋子の同名ベストセラー小説を映画化。
 驚きと喜びに満ちた、温かい日々を描いた感動の物語です。
スタッフ監督:小泉堯史
・原作:小川洋子
・脚本:小泉堯史
キャスト・博士:寺尾聰
・杏子:深津絵里
・ルート:齋藤隆成  
・先生(ルート):吉岡秀隆
・未亡人:浅丘ルリ子
取り扱っている障害・記憶障害(短期記憶障害)
高次脳機能障害
レビュー  博士役の寺尾聰さんと家政婦役の深津絵里さんの演技が本当に素晴らしかったです。
 記憶が80分しか持たないという難しい役どころを、博士は上品さと優しさ、そして頑固さをもって、家政婦は飾らない愛らしさで、それぞれが原作の人物像を一層リアルにしてくれました。博士が会話に困ったときに数字を持ち出す場面も、胸が温かくなりました。
 博士の義姉(浅丘ルリ子さん)の切ない心情や、少年ルートくんの博士への深い敬慕の念が丁寧に描かれていたことも印象的でした。
 数学をただの公式としてではなく、身近なものとして教えてくれる博士の姿には、「ヒラヤマもこんなふうに数学を教わりたかったな」と感じずにはいられません。
 博士と家政婦、そしてルートくんとの交流が、背景にある美しい自然の風景と相まって、観終わった後も温かい気持ちで満たされました。
 記憶が失われていくことの怖さを感じながらも、受け入れて生きる人々の姿。「見てよかった」と、心から思える久しぶりの作品でした。
ヒラヤマの余談「障害を題材にした邦画」と言って、真っ先に頭に浮かんだのが「博士の愛した数式」でした。名作は、何度見てもいいものですね。
視聴リンク(VOD)PrimeVideo
U-NEXT
楽天TV
Lemino
購入リンク
(DVD・Blu-ray)
DVD
Blu-ray

2.ジョゼと虎と魚たち(2003年製作/116分/PG12)

ジョゼと虎と魚たち(2003年製作/116分/PG12)
ジョゼと虎と魚たち(2003年製作/116分/PG12)
解説・あらすじ ごく普通の大学生・恒夫(妻夫木聡)がアルバイトをする麻雀店では、近所に出没する謎の老婆の噂が話題になっていました。
 その老婆は、明け方に乳母車を押しているのだとか。 ある日、恒夫は坂道を下ってくる乳母車と遭遇。
 中を覗き込むと、そこにいたのは包丁を振り回す少女でした。
 ジョゼと名乗るその少女(池脇千鶴)は、足が不自由で、祖母に乳母車を押してもらって散歩していたのです。
 不思議な魅力を持つジョゼに次第に惹かれていく恒夫は、彼女の家をたびたび訪れるようになります。
 田辺聖子の短編小説を犬童一心監督が映画化した本作は、ごく普通の大学生と、足の不自由な少女が織りなす、ピュアで切ないラブストーリーです。
スタッフ・監督監督:犬童一心
・脚本:渡辺あや
・原作:田辺聖子
キャスト妻夫木聡  ・池脇千鶴
上野樹里  ・新井浩文
新屋英子  ・江口徳子
SABU  ・荒川良々
大倉孝二  ・真理アンヌ
・西田シャトナー  ・藤沢大悟
・陰山泰  ・中村靖日
・山本浩之  ・板尾創路
森下能幸  ・佐藤佐吉
取り扱っている障害身体障害
レビュー この映画は、観た後にずっしりと心に残る、とても不思議な作品でした。
 湿っぽい雰囲気は全然ないのに、なぜか心に深く引っかかるんです。
 大学生の恒夫とジョゼ、二人の気持ちが痛いほど伝わってきました。
 お互い素直に言葉に出さないけれど、表情や仕草、会話のテンポから、その想いがひしひしと伝わってくるんです。
 特に、池脇千鶴さんが演じるジョゼの魅力には完全にやられてしまいました。飾らない話し方やツンデレなところ、全部が可愛くて仕方ないんです。
 「こういう子、好きな人はすごく好きだろうな」と感じました。
 また、この映画の障害の描き方も印象的でした。嫌らしくなく、ありのままの姿を映し出すからこそ、リアリティがあって。かといって悲観的になるわけでもなく、淡々と物語が進んでいく。
 そのバランスが絶妙で、観客に「好きであること」と「生きていくこと」の違いや、住んでいる世界や価値観の違いなど、さまざまなことを考えさせてくれました。
 心に残る素晴らしい映画でした。
ヒラヤマの余談 アニメ版は知っていたのですが、実写版がふたつ(日本版・韓国版)もあるとは知りませんでした。
視聴リンク(VOD)Praime Video
U-NEXT
ABEMA
Hulu
購入リンク
(DVD・Blu-ray)
DVD
Blu-ray

3.明日の記憶(2006年製作/122分)

明日の記憶(2006年製作/122分)
明日の記憶(2006年製作/122分)

解説・あらすじ 仕事に情熱を燃やす50歳のサラリーマン、佐伯雅行(渡辺謙)。
 しかし、彼は若年性アルツハイマー病という残酷な病に侵されていることを知ります。
 日に日に記憶が消えていく恐怖と焦り。
 そんな彼を支え続けたのは、妻の枝実子(樋口可南子)でした。
 すべてを忘れてしまっても、あなたを愛する気持ちは忘れない。夫婦の深い絆と愛の物語です。
 俳優として世界で活躍する渡辺謙さんが、原作の小説に出会って「どうしても映画にしたい!」と強く願って実現した作品。
 自ら主演を務めるだけでなく、プロデューサーとしても熱い想いを込めて作り上げました。
 監督は「トリック」などで知られる堤幸彦。
 重いテーマでありながらも、ユーモアを交えながら、愛すること、一緒に生きていくことの尊さを描いています。
 豪華で多彩なキャストが織りなす、心に深く刻まれる感動の物語です。
スタッフ・監督:堤幸彦
・エグゼクティブプロデューサー:渡辺謙
・原作:荻原浩
・脚本:砂本量、三浦有為子
キャスト渡辺謙:佐伯雅行  ・樋口可南子:佐伯枝実子
吹石一恵:佐伯梨恵  ・水川あさみ:生野啓子
・市川勇  ・松村邦洋
・MCU  ・木梨憲武:木崎茂之
及川光博:吉田武宏  ・遠藤憲一
木野花  ・渡辺えり子:浜野喜美子
香川照之:河村篤志  ・大滝秀治:菅原卯三郎
取り扱っている障害若年性アルツハイマー
レビュー この映画を観て、若年性アルツハイマー病という病気の恐ろしさを改めて感じました。 多くの人が恐れる「認知症」を、ただのドラマとしてではなく、リアルな視点からまっすぐに描いた作品です。
 主人公・佐伯雅行(渡辺謙)が徐々に記憶を失っていく恐怖や、それをどうしても認めたくない気持ち、そして患者としての尊厳が痛いほど伝わってきました。
 特に印象的だったのは、ごく普通のサラリーマンだった彼が、人の名前や映画のタイトルが思い出せないといった、誰にでも起こりうるような些細なことから病気に気づいていく過程です。
 この演出によって、観客は病気がいかに身近なものか、そしてその恐ろしさを実感します。
 物語は佐伯夫妻の葛藤と愛を中心に、妙な小細工をせず直球で描かれています。リアルな演技と絶妙な心理描写、そして佐伯の記憶が失われていく様子を追体験できるような演出が秀逸でした。
 この映画は、病気が本人だけでなく、周囲に与える影響についても深く考えさせてくれます。
 「明日の記憶」というタイトルが示すように、今日あったことが明日には残っていないかもしれないという現実。
 献身的に支える家族の葛藤や感情の爆発も描かれていて、心に強く訴えかけてくるものがありました。
ヒラヤマの余談 浜野喜美子役を演じた渡辺えり子さんって、2007年9月26日、芸名を「渡辺 えり子」から「渡辺 えり」に変更(9月27日に公表)されたんですね。全然知りませんでした。
視聴リンク(VOD)Prime Video
U-NEXT
TELASA
Lemino
Hulu
購入リンク
(DVD・Blu-ray)
DVD

4.こんな夜更けにバナナかよ 愛しき実話(2018年製作/120分)

こんな夜更けにバナナかよ 愛しき実話(2018年製作/120分)
こんな夜更けにバナナかよ 愛しき実話(2018年製作/120分)

解説・あらすじ 幼い頃から難病の筋ジストロフィーを患い、首と手しか動かせない鹿野靖明(大泉洋)。
 介助がないと生きていけないのに、病院を飛び出して、たくさんのボランティアさんたちと暮らしていました。
 夜中に突然「バナナ食べたい!」と言い出したり、ちょっぴりワガママで周りを振り回してばかり。でも、なぜだかみんなに愛される、憎めない存在でした。
 そんな鹿野さんが、新人ボランティアの美咲(高畑充希)に一目惚れ! 美咲さんの彼氏で医大生の田中(三浦春馬)に、「代筆して!」とラブレターを頼んでしまうんです。
 美咲さんは最初びっくりしますが、鹿野さんやボランティアのみんなと過ごすうちに、自分らしく生きることや、夢を追いかける勇気をもらっていきます。
 そんな楽しい日々のなか、突然鹿野さんが倒れ、命の危機を迎えてしまうのですが…。
 大宅壮一ノンフィクション賞と講談社ノンフィクション賞をダブル受賞した、実在の人物・鹿野さんの愛と勇気の物語を、笑いと涙いっぱいに描いた感動の実話です。
スタッフ・監督:前田哲
・原作:渡辺一史
・脚本:橋本裕志
キャスト大泉洋:鹿野靖明  ・高畑充希:安堂美咲
三浦春馬:田中久  ・萩原聖人:高村大助
渡辺真起子:前木貴子  ・宇野祥平:塚田心平
韓英恵:泉芳恵  ・竜雷太:鹿野清
綾戸智恵:鹿野光枝  ・佐藤浩市:田中猛(友情出演)
原田美枝子:野原博子
取り扱っている障害筋ジストロフィー
レビュー 筋ジストロフィー患者の実話を描いた映画ということで、どうしても「お涙ちょうだい」な内容を想像していました。
 でも、それは良い意味で裏切られました。
 この作品は、悲しみや苦しみばかりではない、ユーモアに溢れたヒューマンコメディでしたね。
 何といっても、主演の大泉洋さんの演技が素晴らしかったです。
 顔と手以外は動かせないという制約の中で、予想をはるかに上回る主人公・鹿野さんの強烈な個性や自由すぎるキャラクターを、見事なとぼけた味わいで演じきっていました。
 邦画では敬遠されがちな排泄や性欲といった問題も、うまく笑いに転化して描かれている点も印象的でした。
 鹿野さんは「自己中心的すぎる」と感じる人もいるかもしれませんが、彼が持つ「困っていることは助けてもらえばいい」という自由さや前向きな姿勢が、人々に勇気を与えているように思いました。
 わがままだけど、しっかりと前向きに生きる彼の姿に共感し、支える人々のお話は、「遠慮せずに助けを求め、助け合う」という、当たり前だけど忘れがちな大切なことを教えてくれます。
 どんな状況でも恋をして、遊んで、楽しんで生きた一人の人間の記録として、とてもよくできた素敵な作品でした。
ヒラヤマの余談 個人的にはバラエティー番組で活躍されている印象が強い大泉洋さんですが、やっぱり役者さんだと再認識させていただいた作品でした。
視聴リンク(VOD)Prime Video
U-NEXT
DMM TV
Rakuten TV
TELASA
Lemino
Hulu
購入リンク
(DVD・Blu-ray)
DVD
Blu-ray

5.ツレがうつになりまして。(2011年製作/121分)

ツレがうつになりまして。(2011年製作/121分)
ツレがうつになりまして。(2011年製作/121分)

解説・あらすじ 画家の妻・ハルさん(宮崎あおい)は、仕事をバリバリこなすサラリーマンの夫・ツレ(堺雅人)に頼りきりの生活を送っていた。
 しかし、ある朝、真顔で「死にたい」とつぶやいたツレが、心因性うつ病と診断される。激務とストレスが原因だと知り、ハルさんは「会社を辞めないなら、離婚する!」と告げる。
 会社を辞めて主夫となったツレと、収入源をなくし貧困街道を突き進むことになった髙崎家。そんな状況の中、ハルさんは夫婦の関係を見つめ直し、家事嫌いながらも新たな仕事を始めて家計を支える。
 ツレの体調も徐々に回復に向かうが、小さなつまずきの先に、彼らを待っていたのは奇跡のような出来事だった。
 実写ドラマ化もされた細川貂々のコミックエッセイを、「半落ち」の佐々部清監督が映画化。
 NHK大河ドラマ「篤姫」でも共演した宮崎あおいと堺雅人が、強い絆で結ばれた夫婦を再び演じ、温かくも切ない物語を描き出す。
スタッフ・監督:佐々部清
・原作:細川貂々
・脚本:青島武
キャスト宮﨑あおい:高崎晴子(ハルさん)
  ・堺雅人:高崎幹男(ツレ)
吹越満:杉浦  ・津田寛治:高崎和夫
犬塚弘:川路  ・梅沢富美男:三上隆
田山涼成:加茂  ・大杉漣:栗田保男
余貴美子:栗田里子
取り扱っている障害うつ病
レビュー この映画は、「うつ病」という現代的なテーマを扱った、心に深く響く作品でした。
 映画のタイトルや雰囲気とは少し違い、観るのにちょっとした覚悟がいるような、シリアスで辛い場面もいくつもあります。でも、主人公である夫婦が苦しい時期を乗り越え、二人で前を向いていく姿はとても素敵で、丁寧に描かれていたと感じました。
 日本では、実はとても多くの人がうつ病を経験していると言われています。 この映画は、病気の症状や、原因として考えられること、そして治療法についてもわかりやすく描かれており、うつ病を知らない人でも、それがどういうものなのかをなんとなく理解できる内容でした。
 闘病生活を題材にした映画は多いですが、うつ病を扱った作品は珍しいかもしれません。 単なるお涙頂戴の物語ではなく、誰もが直面しうる社会的な問題として、しっかりと向き合っている。 そんな真摯な姿勢が伝わってくる、大切な作品でした。
ヒラヤマの余談 「あれ、前も堺雅人さんと宮﨑あおいさんって夫婦役で共演してなかったっけ?」と思っていたら、NHKの大河ドラマ『篤姫』でも夫婦役で共演されていたんですね。
視聴リンク(VOD)Prime Video
U-NEXT
FOD
Lemino
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(DVD・Blu-ray)
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6.くちづけ(2013年製作/123分)

くちづけ(2013年製作/123分)
くちづけ(2013年製作/123分)

解説・あらすじ 知的障害を持つ7歳の心を持った女性マコ(貫地谷しほり)は、元人気漫画家のお父さん「いっぽん」(竹中直人)と一緒に、知的障害者のためのグループホーム「ひまわり荘」にやってきます。
 そこには、無邪気で心優しい仲間たちが暮らしており、マコは初めて出会った男性「うーやん」(宅間孝行)にも心を開いていきます。
 ようやく見つけた幸せな場所で、これから楽しい日々が続くと思っていた矢先、ひまわり荘の経営難や、うーやんの妹が婚約破棄されるなど、厳しい現実が彼らを襲います。
 さらに、いっぽんにも病気が見つかり、苦しむ父親は、「こんな冷たい社会の中でマコを一人にできない」と、ある決断をします。
 劇作家・俳優の宅間孝行が主催していた劇団「東京セレソンデラックス」の名作舞台を、堤幸彦監督が映画化した、温かくて切ない感動の物語です。
スタッフ・監督:堤幸彦
・原作:宅間孝行
・脚本:宅間孝行
キャスト貫地谷しほり:阿波野マコ  
竹中直人:愛情いっぽん(阿波野幸助)
宅間孝行:うーやん  ・田畑智子:宇都宮智子
橋本愛:国村はるか  ・岡本麗:袴田さん
嶋田久作:仙波さん  ・麻生祐未:国村真理子
平田満:国村先生  ・宮根誠司
伊藤高史:夏目ちゃん  ・谷川功:島ちん
屋良学:頼さん  ・尾畑美依奈:南
万田祐介:酒巻くん
取り扱っている障害知的障害
レビュー この映画は、観た後にずっしりと心に残る、とても考えさせられる作品でした。
 障がいを持つ人々と、その周りの人々が抱える愛や苦しみ、葛藤、そして世間の冷たい目。さまざまな感情が複雑に絡み合い、見ているこちらもいろいろなことを考えずにはいられませんでした。
 この映画が私たちに投げかけているのは、ただの「お涙ちょうだい」ではない、とてもリアルな現実問題です。 でも、明確な答えは示してくれません。 だからこそ、「自分だったらどうするだろう?」「自分に何かできることはないだろうか?」と、観た人それぞれが考えるきっかけになる、そんな素晴らしい作品だと思います。
 私たちが当たり前だと思っている日常は、実は当たり前ではないということ。
 この映画を観た後、もし街中で障がいを持つ人を見かけたら、きっと以前とは違う対応ができるようになるはずです。そういう小さな変化が、社会から偏見や差別をなくしていく第一歩になるのではないでしょうか。
 この作品は、私たちの心にそっと寄り添いながら、世界を変える力を持つ、そんな気がしました。
ヒラヤマの余談 竹中直人さんが出演されている作品はハズレがないと思っているのですが、例にもれず、この作品も素晴らしかったです。
視聴リンク(VOD)Prime Video
Rakuten TV
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(DVD・Blu-ray)
DVD
Blu-ray

7.1リットルの涙(2004年製作/98分)

1リットルの涙(2004年製作/98分)
1リットルの涙(2004年製作/98分)
解説・あらすじ 中学3年生の木藤亜也(大西麻恵)は、脊髄小脳変性症という、少しずつ体が動かなくなってしまう難病にかかってしまいます。
 それでも高校への進学を諦めず、頑張って入学を果たしますが、病気は次第に進行し、やがて養護学校へ転入することに……。
 これは、病と闘いながらも懸命に生きた亜也さんが、25歳で亡くなるまで書き続けた日記と、お母さんの著書を元にした感動の物語です。
 監督はCMを多数手がけた岡村力。
 悲しいお話でありながらも、観た後は心が温かくなるような、優しくリアルな描写が胸を打ちます。
 主演の大西麻恵さんの自然な演技や、お母さん役のかとうかずこさん、駄菓子屋のおばさん役の松金よね子さんの存在感も見逃せません。
 病気や障害を持つことについて、改めて考えさせられる場面もあり、心に深く響く作品となっています。
 この物語は、後にテレビドラマ(主演:沢尻エリカ)にもなりました。
スタッフ・監督:岡村力 
・脚本:山本文太田中貴大
・原作:木藤亜也木藤潮香
キャスト大西麻恵:木藤亜也  ・かとうかず子:木藤潮香
鳥居かほり:山本  ・芦川よしみ:寮母のさと
松金よね子:パン屋のハル  ・浜田光夫:木藤瑞生
森山周一郎  ・速水亮
・大西麻恵:木藤亜也  ・かとうかず子:木藤潮香
・鳥居かほり:山本  ・芦川よしみ:寮母のさと
・松金よね子:パン屋のハル  ・浜田光夫:木藤瑞生
・森山周一郎  ・速水亮
村川敦子  ・松本五月
取り扱っている障害脊髄小脳変性症
レビュー この映画は、ただ楽しむためだけのものではありませんでした。観ている間、胸が熱くなり、何度も考えさせられました。
 ストーリーや演出、音楽といった見方を超えて、これは一人の少女の真実の記録、ドキュメンタリーとして多くの人に知ってほしい作品です。 難病によって少しずつ体が動かなくなっていく主人公の純粋な気持ちや、想像を絶する苦悩がストレートに描かれていました。
 主演の大西麻恵さんの演技は、本当に素晴らしかったです。 劇場ポスターにも使われている、車に乗って涙をこらえながら手を振る彼女の写真からも、その力演の一端が伝わってきます。 表情だけで涙を誘うほどの圧倒的な演技力は、すでにこの世にいない亜也さんの輝く人間的魅力を、見事にスクリーンに蘇らせていました。
 電話をかけたいのに番号を押すのが遅くてかけられない場面や、電動車椅子の充電が切れてしまう場面では、胸が締め付けられるようでした。 普段、病気や障がいを持つ方と接する機会がない自分にとって、この映画は彼女たちの生活や心情をほんの少しでも理解できる、とても貴重なきっかけを与えてくれました。
 一人でも多くの人に、できれば若い世代の人にこそ観てほしい。そう強く感じた作品です。
ヒラヤマの余談 沢尻エリカさんが主演を演じたドラマ版は知っていたのですが、映画版があるとは知りませんでした。
 あと、キャストの方々を調べるまで、ポスターの画像の方を榮倉奈々さんだと勘違いしていました。人の記憶というのは、案外信用ならないものですね。
視聴リンク(VOD)TSUTAYA DISCAS
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(DVD・Blu-ray)
DVD

映画がくれた「気づき」を大切に

映画がくれた「気づき」を大切にしよう
映画がくれた「気づき」を大切にしよう

 ここまで読んでくださって、本当にありがとうございました。

 映画は、私たちが普段の生活では出会えない人々の物語を、私たちに届けてくれます。
 それは、普段の生活では見過ごしてしまいがちな、誰かの苦しみや喜び、そして懸命に生きる姿です。
 この映画を通して得た温かい気持ちや、心に響いたメッセージを、ぜひ大切にしてください。そして、あなたの周りにいる大切な人たちに、そっと優しさを分けてあげてほしいと思います。

 この記事の執筆者は、就労継続支援A型事業所ONE STEP利用者のヒラヤマでした。

就労継続支援A型事業所ONE STEP 利用者のヒラヤマです。 サッカー鑑賞が趣味で、生粋の猫派。 ブロク記事執筆は初めてですが、少しでも読みやすい内容を目指して日々努力中! よろしくお願いします