福祉住環境コーディネーターは意味ない? 介護職が2級を取るべき「えげつない」3つのメリット

福祉住環境コーディネーター

障害者支援の現場で求められる「住環境デザイン」の専門性

 

「今日も腰が悲鳴を上げている……。このまま力仕事の介護を一生続けていくなんて、私の腰が先に定年退職しちゃうんじゃないかな」

「利用者さんの家の段差、なんとかしてあげたいけど、建築のことはさっぱり。結局、何も言えずに見守るだけなのかな……」

 現場で働くあなた。
 そんな風に、自分の体力の限界や「専門性の壁」にぶつかったことはありませんか?

 こんにちは。就労継続支援A型事業所ONE STEP利用者のヒラヤマです。

 介護の現場は、尊い仕事です。
 それは間違いありません。
 でも、正直に言いましょう。
 毎日「よいしょ、こらしょ」と利用者さんを抱え上げ、おむつを替え、走り回る。
 それだけで終わってしまうのは、あまりにももったいない。
 あなたのその「現場感覚」を、もっとスマートに、もっとクリエイティブな「武器」に変える資格があるのをご存知でしょうか。
 そう、それが、「福祉住環境コーディネーター」です!
 この記事を読み終える頃には、あなたの腰の痛みも少しは和らいで……はいないでしょうが、将来への視界は確実にクリアになっているはずです。

福祉住環境コーディネーターって何者?
建築と福祉の「通訳者」

 

 そもそも「福祉住環境コーディネーター」とは、何かについて説明しますね。
 一言で言えば、「高齢者や障害を持つ方が、住み慣れた家で自立して安全に暮らせるよう、住環境を整える提案をする専門家」です。
 介護の知識しかない人が家を直そうとすると、「とりあえず手すりを付けよう」で終わってしまいます。逆に、建築の知識しかない人が家を直すと、「バリアフリーなら段差をなくせばいいんでしょ」という画一的な設計になりかねません。
 でも、現実はそんなに短絡的ではありません。

 麻痺が右にあるのか左にあるのか。
 握力はどれくらいか。
 認知症の進行具合はどうか。

 それによって必要な『合理的配慮』の内容は、180度変わります。
 福祉住環境コーディネーターは、医療・福祉・建築の3つの領域をまたぎ、それらを一つの「住まい」という形にまとめ上げる「通訳者」のような存在なのです。

なぜ今、この資格が「アツい」のか

 日本は今、誰もが知る「超高齢社会」です。(超高齢社会とは「65歳以上人口が総人口の21%超」のことを指します。2023年時点で、高齢化率は29.1%に達しています
 人手不足などの観点からも、今後も、病院や施設から「住み慣れた自宅」への復帰を促す『自立支援』の流れは、加速していく一方かと思われます。
 しかし、日本の家屋は、若くて健康な人を基準に作られた「バリアだらけの迷宮」であることが少なくありません。
 そこで、生活支援の一環として住環境を整えるニーズが爆発的に増えているのです。
 この資格は、ただの「お勉強」ではなく、社会の課題を解決するための極めて実践的なツールと言えるでしょう。

2級と3級、どっちを取るべき?:大人の「資格戦略」

 

 「資格を取る」と言っても、何級を目指すかでその価値は変わります。
 福祉住環境コーディネーター検定試験(東京商工会議所主催)には、1級、2級、3級があります
 結論から言いましょう。
 プロとして現場で戦い、キャリアを切り拓きたいなら、「2級」一択です。

3級:基礎をかじる「入門編」

 3級は、福祉と住環境に関する基礎知識を学ぶレベルです。

  • 福祉住環境整備の意義と役割
  • 高齢者の特性と医学的知識
  • 福祉用具の基本
  • 住宅整備の基本

 自分や家族のために知識を付けたい、あるいは学生さんが「福祉って何?」という入り口に立つには良いでしょう。
 しかし、仕事の武器にするには少し心もとないのが正直なところです。

2級:実務で輝く「プロフェッショナル編」

 ここが本番です。2級を取得すると、一気に世界が変わります。

  • 疾患別・障害別の住環境整備の具体的な方法
  • 建築図面の見方とバリアフリー設計
  • 福祉制度や介護保険の知識

 特筆すべきは、2級を取得すると「介護保険を利用した住宅改修」において、必要な書類(住宅改修が必要な理由書)を作成できるようになる点です。
 これ、介護職としてはかなり大きなアドバンテージだと思いませんか?

1級:組織を動かす「リーダー編」

 1級は、もはや「住環境の神」を目指すレベルです。
 新築の公共施設や、地域全体の福祉計画に関わるような高度な知識が求められます。
 合格率も低く、まずは2級をしっかり攻略するのが現実的な戦略です。

試験の難易度と勉強法:忙しいあなたでも大丈夫?

 

 「勉強なんて、学生時代以来やってないよ……」

という方もご安心を。この試験、実は社会人に優しい設計になっているんです。

試験形式:IBTとCBTという味方

 福祉住環境コーディネーター試験(2級・3級)は、現在IBT(インターネット経由での試験)またはCBT(テストセンターでの試験)形式で実施されています。
 かつての「年に2回、決まった会場に集合!」というスタイルではありません。
 自分の都合の良い日時に、近くの会場や自宅(IBTの場合)で受験できるんです。

合格率と難易度の目安

  • 3級: 合格率は例年50~70%程度。比較的易しく、独学でも手が届きます。
  • 2級: 合格率は30~50%程度。少し難易度は上がりますが、介護の現場経験がある人なら、医学的な知識はすでに持っているはず。建築用語さえ攻略すれば、決して高い壁ではありません。

勉強のコツ:テキスト選びが9割

 まずは公式テキストを手に入れましょう。
 あとは、過去問を繰り返し解くこと。
 建築図面の問題は、最初は「迷路かな?」と思うかもしれませんが、パターンを覚えればパズル感覚で解けるようになります。

オススメのテキストの例

名前福祉住環境コーディネーター 検定試験® 2級
公式テキスト<改訂7版>
評価☆4.0(32)
リンク
名前福祉住環境コーディネーター検定試験 
2級実力テスト&過去問題2025
評価☆4.0(30)
リンク
名前【体験版CBTつき!】ユーキャンの福祉住環境コーディネーター2級 速習テキスト 第2版【公式テキスト改訂7版対応】 
評価☆4.5(32)
リンク
名前【体験版CBTつき!】ユーキャンの福祉住環境コーディネーター2級 重要問題集&予想模試 第2版【公式テキスト改訂7版対応】
評価☆3.6(6)
リンク

介護職がこの資格を持つ「えげつないメリット」

 

 さて、ここからは少し「生々しい」話をしましょう。
 資格を取って、あなたの生活やキャリアにどう影響するのか、という話です。

1. 「力仕事の介護」からの脱去

 冒頭で言った通り、腰は消耗品です。
 福祉住環境コーディネーターの知識があれば、現場の「作業者」から、環境をデザインする「アドバイザー」へとステージを変えられます
 「利用者さんを抱えて運ぶ」のではなく、「抱えなくても済む環境を提案する」
 これこそが、あなた自身と利用者さんの両方を守る障害者支援の形です。

2. 「住宅改修の理由書」が書ける強み

 介護保険を利用して住宅改修(手すりの設置や段差解消など)を行う際、ケアマネジャーなどが「理由書」を書く必要があります。
 しかし、ケアマネさんの中には建築のことが苦手な方も多い。
 そこで、「私、2級持ってるので理由書書けますよ」と言えるスタッフがいたら?
 職場での評価は爆上がり、ケアマネさんからは拝まれ、転職の際も「即戦力」として扱われます。
 まさに、介護・看護の現場で求められるハイブリッド人材です。

3. 多職種連携での「発言権」が変わる

 リハビリ専門職(PT/OT)や建築業者との会議で、今までは「あ、はい、お任せします……」と隅っこにいたあなた。
 資格があれば、「この方の疾患特性を考えると、この手すりの位置だと逆に危険です。こちらの福祉用具と組み合わせた方が、より生活支援として有効です」と、根拠を持って意見が言えるようになります
 専門用語が飛び交う会議で「置いてけぼり」にされない快感は、何物にも代えられません

具体的に何を学ぶのか?
専門知識の「中身」をチラ見せ

 

「具体的にどんなことを勉強するの?」と気になる方のために、2級の試験範囲を中心にそのエッセンスを紹介します。

1. 福祉制度と社会背景

 日本の福祉がどのように変化してきたか、最新の福祉制度について学びます。
 介護保険法はもちろんのこと、高齢者虐待防止法、自立支援を目的とした各種法律の知識を整理します。

2. 高齢者の医学的知識

 加齢に伴う身体的変化だけでなく、認知症、脳血管障害、骨関節疾患など、高齢者に多い疾患の特性を学びます。
 「なぜ、脳梗塞の後遺症がある人はこの位置に手すりが必要なのか?」という問いに、医学的根拠をもって答えられるようになります。
 これまでの経験則に医学的知識が加われば、まさに鬼に金棒ではないでしょうか。

3. 住宅改修の具体的な手法

 ここが一番「建築」らしい部分です。

  • 段差の解消(スロープの勾配計算など)
  • 手すりの取り付け位置と高さ
  • 床材の選択(滑りにくさ、衝撃吸収性)
  • 扉の交換(開き戸から引き戸へ)
  • 便器の交換や浴室の改造

 これらの知識を、単なる「暗記」ではなく、「この利用者さんの生活をどう変えるか?」という視点で学んでいきます。

4. 福祉用具と関連機器

 住宅改修と切っても切り離せないのが、福祉用具です。
 歩行器、車椅子、特殊寝台(介護ベッド)、段差解消機。
 これらを住宅改修とどう組み合わせるか(あるいは、改修せずに用具で代用するか)の判断基準を磨きます。

キャリアの広がり
福祉・建築・メーカー、どこへ行く?

 

 この資格の面白いところは、「活躍の場が多岐にわたる」ことです。

業界具体的な役割
介護・福祉施設 施設内の環境整備、ケアマネジャーとの連携、在宅復帰のコンサルティング。
建築・リフォーム バリアフリー住宅の提案、施主(高齢者・障害者)へのヒアリング・設計。
福祉用具メーカー 商品開発のアドバイス、販売店への技術指導。
行政・公的機関 住宅改修の審査、地域包括支援センターでの相談業務。

 最近では、障害者雇用を積極的に進める一般企業の施設管理部門や、人事部門でこの知識を活かすケースも増えています。
 「働く場所のバリアフリー」は、これからの時代のスタンダードですから。

資格取得へのロードマップ:合格を掴むためのステップ

 

 ここまで読んで、「よし、やってみるか!」と思ったあなたへ。
 合格を確実にするためのステップを整理しておきましょう。

1.公式テキストを入手する まずは敵を知ることから。
 東京商工会議所の公式テキストは、試験のバイブルです。
2. 受験方法(IBT/CBT)を決める 自宅で受けたいか、テストセンターに行きたいか。
 自分の性格に合わせて選びましょう。
3. 過去問を3年分は解く 問題のパターンに慣れることが合格への近道です。
 特に「住宅改修の理由書」に関わる問題は、実務にも直結するので重点的に。
4. 現場の利用者さんと結びつけて考える これが一番の勉強法です。「あ、○○さんの家の段差、このテキストにあるスロープで解決できるかも?」と考えながら現場に立つと、知識が驚くほど定着します。

あなたの「現場の知恵」に、名前をつけよう

 

 福祉住環境コーディネーターという資格は、あなたが今まで現場で培ってきた「気づき」や「優しさ」に、「専門性」という名前の勲章を授けてくれるものです。
 「今日も仕事、疲れたなぁ」とビールを飲む前に。
 「この利用者さんの生活、もっと良くできないかな」と、ほんの少しだけ想像してみてください。
 福祉の制度、医学の知識、そして建築の技術
 これらがあなたの中で繋がったとき、あなたはただの「介護スタッフ」ではなく、誰かの人生を劇的に変える「環境のデザイナー」になります。
 社会には、あなたの知識を待っている人がたくさんいます。
 腰痛に悩む自分を救うため。
 そして、障害者手帳を手に、不安な気持ちでリハビリに励む誰かの「明日」を少しだけ軽くするため。
 福祉住環境コーディネーターへの一歩を、踏み出してみませんか?

参考URL