障害のある皆さん、お仕事にお悩みはありませんか?
皆さん、こんにちは。
就労継続支援A型事業所ONE STEP利用者のヒラヤマです。
障害のある人にとって、大きな壁のひとつが就労ではないでしょうか?
自分に合った仕事を見つけるのは、健常者であっても難しいものです。
ましてや障害がある方にとっては、なおのこと。 少し古いデータになってしまいますが、独立行政法人障害者職業総合センターが2017年4月に発表した調査では、以下のような結果が出ています。
一般求人(障害非開示) | 職場定着率(1年後) | |
障害者求人 | 86.9% | 70.4% |
一般求人(障害開示) | 69.3% | 49.9% |
一般求人(障害非開示) | 52.2% | 30.8% |
職場定着率(3ヶ月) | 職場定着率(1年後) | |
精神障害 | 69.9% | 49.3% |
身体障害 | 77.8% | 60.8% |
知的障害 | 85.3% | 68.0% |
発達障害 | 84.7% | 71.5% |
障害者求人であっても、3割以上の方が1年後には辞職してしまっている現状です。
また個別に見た場合、精神障害の人は半分以上が1年未満に辞職しているという驚愕のデータもあります。、
自分の性格や特性に合った仕事がいかに重要かということが、この数字からも分かるのではないでしょうか?
「自分にピッタリの仕事を見つけたい」
「就職したけど、職場の雰囲気に馴染めない…。」
「自分に合ったサポートをして欲しいけど、どうやって職場に相談すればいいんだろう?」
障害のある人にとって、仕事に関する悩みは尽きないものかと思います。
とはいえ、雇用に不安や悩みを抱えているのは障害のある人だけではありません。
企業側もまた「障害のある人への接し方などが分からない」などといった悩みを抱えています。
そんな障害のある人と企業の架け橋になってくれるのが、今日紹介する「ジョブコーチ(職場適応援助者)」なのです。
ジョブコーチとは?
役割
ジョブコーチとは、障害のある人が職場で安心して働けるように支援する人のことです。
障害者雇用の促進や就労の安定化を目的としています。
支援期間は、1〜8ヵ月と人それぞれ。職場で良い関係が築けて、働く上での問題が解決すれば、ジョブコーチの役目は終わります。
ジョブコーチの仕事内容 | |
障害のある人 | ・仕事をもっとスムーズにこなせるよう、サポートします ・職場でのコミュニケーションがうまくいくよう、サポートします ・健康管理や生活リズムを整えられるように、サポートします |
事業主 | ・障害の特性に合わせた雇用の管理についてアドバイスします ・配置や仕事内容が合うように、適切な方法を一緒に考えます |
上司・同僚 | ・職場の人に障害の特性を理解してもらえるよう、サポートします ・障害のことを知ってもらい、上司や同僚がどのような関わり方をすれば良いのかについてのアドバイス ・障害の特性に沿った適切な指導方法についてアドバイスします |
家族 | ・ご家族がどんなふうにサポートすれば、障害のある人が安定して仕事を続けられるかアドバイスします。 |
費用
ジョブコーチによる支援は、基本的に無料です。「金銭面のことが気になるから、ジョブコーチ支援は諦めよう」といった心配がないのは、有り難いですね。
ジョブコーチの種類
企業在籍型ジョブコーチ
企業在籍型ジョブコーチは、障害者を雇用している企業に雇用されているジョブコーチのことです。「ジョブコーチという役職に就いている社員」というようなイメージをしていただけると良いかと思います。
後述の配置型ジョブコーチや訪問型ジョブコーチとは異なり、外部の人間ではないので、企業文化や企業内部のことを熟知していることが強みです。
そのため、障害のある人や職場の同僚・上司に対して、より細やかな支援を行うことができます。
配置型ジョブコーチ
配置型ジョブコーチは、地域障害者職業センターなどに勤めています。
企業在籍型ジョブコーチとは異なり、様々な企業や障害者の方々をサポートします。
障害のある人が円滑に就職したり、職場に適応できるようにします。
訪問型ジョブコーチや企業在籍型ジョブコーチと連携して援助やアドバイスを行います。
訪問型ジョブコーチ
社会福祉法人などに所属している訪問型ジョブコーチは、障害のある人が働いている職場を訪問して、サポートやアドバイスをします。
ジョブコーチを利用する方法
利用までの流れ
① 相談受付
ジョブコーチを利用するには、まず、障害者職業センターやハローワークに連絡することからスタートします。(地域によっては障害者職業センター以外の支援機関がジョブコーチ支援を行っていることもあります)
その後、希望や状況を伝えるなどの相談を行います。
連絡するのは障害を抱えている本人はもちろんのこと、企業や就労支援機関からの連絡でもOKです。
② 状況確認
障害者職業カウンセラーが障害のある人が働いている企業を訪問します。
関係者との面談や職場の見学を通じて状況を確認します。
③ 打ち合わせ
障害者職業カウンセラーとジョブコーチが企業を訪問し、関係者に支援計画書(案)を説明しながら、支援開始に向けた打ち合わせを行います。
④ 支援開始
本人と関係者から同意を得られた支援計画に沿って、ジョブコーチ支援を実施します。
⑤ フォローアップ
支援期間終了時にご本人、関係者で振り返りを行い、必要なフォローアップを行います。
ジョブコーチ支援以外の支援制度
地域障害者職業センター
地域障害者職業センターは、ハローワークと連携し、障害のある人に対する専門的な職業リハビリテーションを提供する施設です。
全国47都道府県に設置されています。お住まいの地域障害者職業センターについては、こちらのサイトから調べてみてください。
公的職業訓練(ハロートレーニング)
ハローワークの求職者を対象に、職業相談等を通じて受講が必要である場合、再就職の実現にあたって必要な訓練を実施しています。
ちなみに沖縄県内には、4つの訓練施設があります
沖縄県立具志堅職業能力開発校
住所 | 〒904-2241 うるま市字兼箇段1945 |
電話番号 | 098-973-5954/098-973-6680 |
URL | https://www.pref.okinawa.lg.jp/shigoto/ability/1012130/1012196/index.html |
地図 |
浦添職業能力開発校
住所 | 〒901-2113 浦添市字大平531 |
電話番号 | 098-878-5627/098-879-2560 |
URL | https://www.pref.okinawa.lg.jp/shigoto/ability/1012130/1012168/index.html |
地図 |
沖縄職業能力開発大学校(ポリテクカレッジ)
住所 | 〒904-2141 沖縄市池原2994-2 |
電話番号 | 098-934-6282 |
URL | https://www3.jeed.go.jp/okinawa/college/ |
地図 |
沖縄職業能力開発促進センター(ポリテクセンター)
住所 | 〒904-0105 北谷町吉原728-6 |
電話番号 | 098-936-1755/098-936-1756 |
URL | https://www3.jeed.go.jp/okinawa/poly/ |
地図 |
障害者トライアル雇用
障害者トライアル雇用とは、障害のある人をお試しで雇用する制度のことです。
雇用の不安を解消したり、継続雇用のきっかけづくりにしたり、など、障害のある人にとっても、事業主にとっても、価値のある制度です。
就労移行支援と就労継続支援(A型・B型)
大前提として、就労移行支援や就労継続支援を利用するためには「障害者手帳」を取得している必要があります。
そのうえで利用するにあたって、以下のような違いがあります。
就労移行支援 | 就労継続支援A型 | 就労継続支援B型 | |
目的 | 就職するために必要なスキルを身につける | 就労の機会の提供 | 就労の機会の提供 |
対象者 | 障害を持ちながらも、一般企業への就職を希望する方 | 障害を持ちながらも、一定の支援を受けながら働きたい方 | 重度の障害を持ち、一般企業で働くのが難しい方 |
雇用契約など | ・雇用契約は結ばないので、基本的に賃金は発生しない ※一部事業所では場合により賃金が発生します | ・雇用契約を結ぶので、お住まいの各都道府県の最低賃金以上の時給が保証されています ・週5日×4時間など働く日数や時間が決まっています | ・雇用契約を結ばないため、「工賃」扱いになり、時給が最低賃金を下回ることもあります ・週1日~勤務可能など、比較的自由な日数から働くことが出来ます |
年齢制限 | 65歳未満 | 65歳未満 | なし |
利用期間 | 原則2年間以内 | 定めなし | 定めなし |
ヒラヤマが現在勤務している就労継続支援A型事業所ONE STEP(公式HP/Instagram)も、こちらに該当します。
就労継続支援について詳しく知りたい方は、こちらのページをご確認ください。
ジョブコーチを利用した企業・ご本人の声
「最初は、ミスに対する指摘の仕方やどのくらいの作業水準を求めて指導して よいのか分からなかったが、目標設定や仕事の任せ方など相談に乗ってもらい助かった」
「本人がストレスを感じやすい場面や体調変化の兆しなど、押さえ どころが把握できた」
「職場に慣れるまで不安だったが、最初はジョブコーチがいてくれたので心強かった。上司との相談も徐々にスムーズにできるようになった」
「面談では、気になっていることなどいろいろと話を聞いてもらえて安心できた」
障害者が就労できるようにサポートしている制度を見逃すな!
障害のある人が働くことは簡単ではありません。
とはいえ、国からも見放されているわけでもありません。
今就労している人も、これから就職する人も、仕事について悩みを抱えている人は、ぜひ一度、ジョブコーチを試してみてはいかがでしょうか。
悩みのタネがひとつ取り除けるかもしれませんよ?
参考リンク
- ジョブコーチ(職場適応援助者)とは?対象や内容、利用方法などを分かりやすく説明します│LITALICO仕事ナビ
- ジョブコーチ(職場適応援助者)とは?担っている役割や仕事内容について解説します│LITALICOキャリア
- 職場適応援助者(ジョブコーチ)支援事業について│厚生労働省
- 「職場適応援助者(ジョブコーチ)支援」を活用しましょう !!│厚生労働省
- ジョブコーチ・ネットワーク(JC-NET)とは
- トライアル雇用│厚生労働省
- 「障害者トライアル雇用」のご案内 │ 厚生労働省
- 就労移行支援と就労継続支援の違いとは? │ LITALICO
- 就労移行支援と就労継続支援の違いとは?特徴や選び方のポイント │ atGP
- ハロートレーニング(離職者訓練・求職者支援訓練)│厚生労働省