■投稿日:2023年7月18日
スマホアプリが障がい者の生活を格段に便利にする
皆さん、こんにちは。
就労継続支援A型事業所ONE STEP(ワンステップ)のヒラヤマです。
突然ですが、あなたは、スマホを有効活用できていますか?
もしかして、ソシャゲやSNSのためだけに使っていませんか?
障がい者向けのアプリを入れることで、あなたのスマホをもっと便利にできるかもしれませんよ?
「どうして普通の人みたいに上手くできないんだろう?」
「もっと◯◯だったら、生活しやすいのに……。」
特に障がいを抱えている方なら、一度は思ったことがある悩みではないでしょうか?
確かに一昔前であれば、どうすることもできなかったかもしれません。
ですが、今は令和。
IT化の波は、着実に障がい者支援にも押し寄せています。
なかでもアプリの発展は目覚ましいものがあります。
今や誰でも持っていて、生活必需品となったスマホ。
なんと、ご自身の障がいに合わせた便利なアプリを活用することで、自分のQOLを格段に向上させられる可能性があるのです!
今回の記事は、障がいで生きづらさを感じている方に、ぜひ読んでほしいです。
自分自身を責めるだけでは、残念ながら、何も解決することはできません。
視野を広げて、自分に役立つアプリを見つけてみませんか?
少しでも生きやすくなる可能性を探ってみませんか?
文明の利器を活用することで、今までの生活が楽になるかもしれません。
あなたの苦労は仕方ないことではなく、改善できるものだったらどうしますか?
■ 目次 ■
- アプリの紹介
- 障害者手帳を持つ方全般を対象としたアプリ
- ①ミライロID
- ②IRODORI
- 視覚障がい者向けアプリ ベスト3(身体障害者手帳をお持ちの方)
- ①Seeing AIとSpeech Servies by Google
- ②Be My Eyes
- ③Eye Navi(アイナビ)
- 聴覚障がい者系向けアプリ ベスト3(身体障害者手帳をお持ちの方)
- ①手話ステーション Lite
- ②電話お願い手帳
- ③こえとら
- 聴覚障がい者系向けアプリ<番外編>(身体障害者手帳をお持ちの方)
- HELLO! MOVIE
- 身体障がい者向けアプリ ベスト3(身体障害者手帳をお持ちの方)
- ①WheeLog!(ウィーログ)
- ②Open Gate
- ③ActVoice Smart
- 障害者手帳を持つ方全般を対象としたアプリ
- バリアフリーアプリ』を探しに行こう
アプリの紹介
障害者手帳を持つ方全般を対象としたアプリ
できれば『ベスト3』を挙げたかったのですが、見つかりませんでした……。
ネットの海を隅々まで探したのですが、ヒラヤマの力が及ばず、スミマセン。
もし障害者の方全般を対象としたアプリを知っている方がいれば、ぜひコメント欄までお願いします!
①ミライロID
アプリの概要
「2022年度グッドデザイン賞」を受賞したアプリです。
ご自身の障害者手帳をアプリで撮影・登録すれば準備OK。
スマホ画面を見せるだけで使える、まさに「デジタル障害者手帳」というべき、画期的なアプリです。
障害者手帳をいちいち鞄や財布から取り出す手間から解放してくれます。
他にも、お得なメリットが数多くあります。
- お得に使える電子クーポンをGET
- 障害者割引価格のチケットを購入可能
- バリアフリー施設の情報を掲載
アプリの情報
ヒラヤマ’s CHECK POINT
ヒラヤマ、イチオシのアプリです!
ミライロIDを紹介するために記事を書いていると言っても過言ではないです(過言です)。
ローソンやファミリーマート、吉野家、JINS、エクスペディア(世界の大手総合旅行ブランド)、ロイヤルホスト、ナポリの釜など、多種多様な企業のクーポンが配信されています。
活用方法に乏しかった障害者手帳が、見違えるほどパワーアップすること、間違いなしです。
利用者数が増えれば増えるほど、ミライロIDの利便性も比例していくことでしょう。
いつダウンロードするの? 今でしょ。
②IRODORI
アプリの概要
18歳以上の障がい者向け友活・婚活アプリです。
なりすましを防ぐため、入会する際には障害者手帳を提示するシステムになっています。
障がいが軽度で、障害者手帳未所持の方はお薬手帳と身分証明書でもOK。
また健常者であっても、障がいに理解のある方でも登録できるとのことです。
一般的なマッチングアプリと違って、IRODORIは完全無料なのも特徴です。
アプリの情報
ヒラヤマ’s CHECK POINT
個人的に、障がい者にとって一番難しいことは「友達作り」だと感じます。
狭いコミュニティ内で関係性が固まってしまいがちになる問題を解決してくれるアプリになるのではないか、と期待しています。
ただ、「大型商業施設ができる!」とワクワクしてたら、車でも片道1時間くらいかかるせいで結局ほとんど行かなくなったイオンモール沖縄ライカムのように、見掛け倒しにならなければいいのですが……。(この例え、沖縄県民以外に伝わるのでしょうか?)
他にも、障がい者向けマッチングアプリとしては「恋草」や「めぐりば!」といったものがあります。
また「Pairs(ペアーズ)」には、『コミュニティ』というものがあり、そこで障がい者や障がい者に理解のある方同士交流を深めるのも良いかもしれませんね。
とはいえ、「IRODORI」はもちろん、「恋草」「めぐりば!」「Pairs(ペアーズ)」は、出会いを求める場なので、100%安心安全とは言えません。
利用は自己責任でお願いします。
ヒラヤマも一切の責任を負いかねますのでご了承ください。
視覚障がい者向けアプリ ベスト3(身体障害者手帳をお持ちの方)
①Seeing AIとSpeech Servies by Google
Seeing AiとSpeech Services by Googleは、どちらも似たような機能を持っています。
対応OSがAndroid/iOS程度の違いしかないので、纏めて一つ扱いにして紹介します。
①‐α Seeing AI
アプリの概要
カメラに映った情報をAIが瞬時に読み取って、読み上げてくれるアプリです。
視覚障がいのある方にオススメ。
手書き文字を含めた文章の読み上げ、風景、紙幣、バーコードなどを伝えてくれます。
アプリの情報
- 対応OS:iOSのみ
- 価格:無料
- 参考URL
ヒラヤマ’s CHECK POINT
Seeing AIの便利なところは、オフラインでも使える機能があることです。
・カメラに映っている「短いテキスト」の読み上げ
・目の前に誰がいるか
・ものの色を教える
・電気の点灯状態
離着陸時の飛行機や病院など、『電波を切らなければならないところ』でも使えるのは有り難いですね。
①‐β Speech Services by Google(IOSとAndroid)
アプリの概要
Googleが提供する多機能音声認識アプリです。
一般的なアプリと違って、Speech Servies単体では能力を発揮できません。
他のアプリと連動することで初めて真価を発揮します。
音声検索が使えるようになったり、テキストを読み上げてくれたり、様々な使い方ができます。
アプリの情報
- 対応OS:Androidのみ
- 価格:無料
ヒラヤマ’s CHECK POINT
ここでは視覚障がい者の方に役立つアプリとして紹介していますが、工夫次第で健常者の方にも役立つアプリに様変わりします。
文章の読み上げを活用して外国語の勉強や、オーディオブック(最もメジャーなのはAmazonのAudible)のような使い方もできる優れものです。
また、このアプリはなんと100億ダウンロードを超えています。実績は折り紙付きです。
あなたのスマホにも、既にダウンロードされているかも?
②Be My Eyes
アプリの概要
視覚に障がいを持つ方(利用者)とボランティアを結ぶアプリです。
180以上の言語で、なんと100万人を超えるボランティアが援助しているとのこと。
ボランティア参加者が多いため、ほとんどのコールが30秒以内というから驚きです。
利用方法としては、以下の通りです。
- 利用者がアプリを起動して、視覚支援をリクエスト
- アプリに登録しているボランティアのもとに通知が入る
- 通知に応じたボランティアと利用者のビデオ通話が始まる
- 利用者のスマホ端末のカメラに表示されている情報をもとに、ボランティアが依頼に応えます.
アプリの情報
ヒラヤマ’s CHECK POINT
まさに画期的といえるアプリです。
ネットの海を調べてみると、「ボランティアの競争率が高くて、なかなかリクエストに応じられない」という意見をちらほら見かけました。
利用者さんからしたら、嬉しい悲鳴といえるでしょう。
③Eye Navi(アイナビ)
アプリの概要
視覚障がい者歩行支援アプリです。
スマホのカメラで周囲の状況をAIが認識してナビゲーションしてくれます。
信号の色や点字ブロック、横断歩道はもちろん、色々と詳しく教えてくれます。
車や電柱、縁石、フェンス、ガードレールなど、設定した障害物も教えてくれる、痒い所に手が届く仕様になっています。
アプリの情報
- 対応OS:iOSのみ
- 価格:無料
- 参考URL
ヒラヤマ’s CHECK POINT
You Tubeで実際にEye Navi(アイナビ)を使用して目的地まで向かう動画をいくつか視聴してみました。
特に印象的だったのは、目の前の信号の赤/青で音楽が変わることです。
視覚に障がいがある方にとって最も危険なのが横断歩道だと思います。
音声だけではなく、音楽でもユーザーに信号の色を伝える――二重の対策が取られていて、素晴らしいと感じました。
ただ、難点としては、カーナビのように「現在地『周辺』に到着しました。案内を終了します」という段階で案内が終了してしまうところです。
このあたりは、天下のグーグルマップでも難しい技術レベルの問題のようなので、改善には時間がかかるかもしれません。
とはいえ、Eye Navi(アイナビ)のあるなしは雲泥の差だと思います。
聴覚障がい者系向けアプリ ベスト3(身体障害者手帳をお持ちの方)
①手話ステーション Lite
アプリの概要
手話を基礎から学べる学習用アプリです。
手の動きは3Dモデルで表現されています。
五十音順、カテゴリ順で語句を調べられるUIが搭載されているのも素晴らしいです。
感覚的にサッと使いたいものを見つけられるのは良いですね。
例文で手話の会話をシミュレーションできる、実践的な練習もあります。
アプリの情報
ヒラヤマ’s CHECK POINT
無料でここまで手話を学習できるのは、「凄い」としか言いようがありません。
また、課金することで『アニメーションで手の動きを見ることが可能』です。
かゆいところに手が届くアプリだと感じました。
②電話お願い手帳
アプリの概要
聴覚に障がいがある方などに対応したコミュニケーションツールです。
外出先で何かがあったとき、近くの方に協力をお願いしたりするときに使います。
「病院へ連絡したい」「警察に電話したい」「タクシーを呼びたい」などを選択して、それぞれの項目を入力して、その画面を人に見せる――という感じです。
アプリ版であれば、ネットに繋がらない状況でも使用できます。
アプリの情報
ヒラヤマ’s CHECK POINT
もしものとき、聴覚に障がいがある方が、端的に情報を伝えられる。
とても優秀なアプリだと思います。
もともと「電話お願い手帳」として、NTT東西が長年発行していた冊子が基になっているようです。
時代の流れとともに、WEB版、アプリ版と進化を遂げてきたという歴史があります。
惜しむべきは、ただひとつ。「ドコモユーザーのみ使用可能」という制約です。
難しいかもしれませんが、ぜひすべてのユーザーで使えるようにしてほしいものですね。
③こえとら
アプリの概要
聴覚に障がいがある方と健聴者のコミュニケーションをサポートするアプリです。
国立研究開発法人情報研究機関(NICT)の研究成果である「音声認識技術」「音声合成技術」も活用されています。
絵文字で感情を伝えたり、複数台の端末を接続して会話することもできます。
アプリの情報
ヒラヤマ’s CHECK POINT
よく使う文を定型文として登録しておける機能は、とても便利だと思います。
他にも種類別に分類できたり、自分好みにカスタマイズできる拡張性は、よくできているなと感心しました。(「自分で登録した文」「挨拶」「応答」「感謝」「買い物」「電話」など、細かくジャンル分けされています)
毎回毎回、打ち込むのは億劫ですよね。
いちいち入力する手間を省けるのは、大きい利点になりますね。
聴覚障がい者系向けアプリ<番外編>(身体障害者手帳をお持ちの方)
HELLO! MOVIE
アプリの概要
スマホやスマートグラスで映画の字幕と音声ガイドを楽しめる無料アプリです。
目の見えない方や見えづらい方にオススメ。
「メガネによる字幕ガイド」「スマホによる音声ガイド」というトレードマークがついている対応作品において使用できます。
沖縄県ではユナイテッド・シネマ パルコシティ浦添、よしもと南の島パニパニシネマにて字幕メガネを貸し出しています。
HELLO! MOVIE配信中の作品は、『シン・仮面ライダー』『「鬼滅の刃」上弦集結、そして刀鍛冶の里へ』『シャイロックの子供たち』などがあります。
アプリの情報
ヒラヤマ’s CHECK POINT
映画館の進歩は3Dメガネや4D映画などに留まらず、福祉方面にも進んでいました。
大迫力のスクリーン、轟くような大音量、映画館で食べると妙に美味しく感じるポップコーンなど……。(ちなみにヒラヤマは断然キャラメルポップコーン派です)
「視覚に障がいがあるから……。」と鑑賞を諦めてしまっている方にも、ぜひ映画館の魅力を味わって感じてほしいです。
※障害者手帳を使うと、たいていの映画館は大幅な割引が効きます。前述のミライロIDを使ってお得に映画を楽しみましょう!
似たようなアプリとしてUDCast(iOS/Android)があります。
身体障がい者向けアプリ ベスト3(身体障害者手帳をお持ちの方)
①WheeLog!(ウィーログ)
アプリの概要
「みんなでつくるバリアフリーマップ」をコンセプトにした地図アプリです。
車いすユーザーが、実際に走行したルートや実際利用したスポットなどを登録していく仕様になっています。
また、ユーザーの気持ちをタイムラインで共有したり、スポットのバリアフリー状況をリクエストできたりもします。
アプリの情報
ヒラヤマ’s CHECK POINT
――バリアフリーが完備されていないせいで入店できない。
――多目的トイレが見つからない。
その他にも『車いすユーザーだからこそ分かる/気付ける』ことが重要視されているように感じました。
まさに『真のユーザー視線のアプリ』といったものになっています。
②Open Gate
アプリの情報
ストーマ(人口肛門保有者、人工膀胱)保有者の方を支援する地図アプリです。
主な機能は、「オストメイト対応トイレを検索」「ストーマ用品販売店を検索」「ストーマ外来を検索」の3つです。
オストメイト対応トイレの詳細ページには、設備の詳しい情報まで記載されています。
また、登録されていないトイレをユーザー自ら登録できる機能もあります。
他にも便利な機能があるようです。
アプリの情報
ヒラヤマ’s CHECK POINT
「オストメイト対応トイレがあるのかどうか」は、オストメイトの方にとっては死活問題だと思います。
外出時に感じる最大の不安を払拭してくれるアプリは、心のゆとりにも繋がります。
地図アプリなので、「まずは近場のトイレを検索して、その住所をグーグルマップで調べて〜」などの手間がないのも素晴らしいと思います。
恥ずかしながらヒラヤマは、排泄のためにお腹に『人工肛門・人工膀胱』を造設した方のことを『オストメイト』と言う事自体、知りませんでした。
③ActVoice Smart
アプリの概要
失語症や言語障がいのある方への言語訓練を目的としたアプリです。
イラストを用いて自習したり、録音機能を使って自分の発音をチェックできます。
ほかにも、自分が正しく発声できているか、機械が判定してくれるシステムもあります。
アプリの情報
ヒラヤマ’s CHECK POINT
マンツーマンの付きっきりで指導してくれることに越したことはないですが、現実問題、なかなかそうはいきません。
そんなときにピッタリなのが、このアプリです。
相手がアプリであれば、相手の顔色を気にしたりせずに、いくらでも自分の気の済むまで練習することができますね。
『バリアフリーアプリ』を探しに行こう
いかがだったでしょうか?
気になったアプリがあれば、ぜひ一度、試してみてください。
今回紹介したものは、すべて『無料』なので、懐が痛む心配もありません。
この記事で紹介したアプリは、あくまでほんの一部です。
ヒラヤマが見逃しているだけで、世の中には便利なアプリがもっとあると思います。
「あのさ〜、あのアプリを紹介しないとか、信じられないよ!?」
「私が愛用してるバリアフリーアプリを紹介してないとか……有り得なくない?」
そういった声がありましたら、ぜひコメント欄にご記入ください。
あなたのコメントが、誰かにとって『生活必需品のアプリ』になるかもしれません。
今後も、障がい者向けのオススメのアプリを紹介したいと考えています。
あなたが書き込んだアプリが、次の記事で取り上げられているかも?
ネットが身近になり、新しいアプリは、日々、開発・リリースされています。
もちろん、当記事を読んでいる間にも増えていることでしょう。
さあ、あなたのニーズを満たすアプリを探しに行きに行きませんか?
今回の記事の執筆者は、就労継続支援A型事業所ONE STEP(ワンステップ)のヒラヤマでした。