- 2025年(令和7年)6月25日:投稿
就労等に不安がある障害者の方へ【H2タグ】

みなさん、こんにちは。
就労継続支援A型事業所ONE STEP利用者のヒラヤマです。
新年度を迎えてから、早数ヶ月。
ふと、こんな疑問が頭を過ぎることはありませんか?

「僕(私)は、ここで働いているけど、本当に正しかったのだろうか?」
特に就労系障害福祉サービスを利用している方は、疑心暗鬼になってしまうときもあるのではないでしょうか?
そこで、本日は「障害者の就労を支援する耳寄りの情報」をご紹介します。
その名も、ズバリ「就労選択支援」です!
今年2025年の10月から、この「就労選択支援」が開始される予定になっています。
元々は、2022年の10月に成立した「障害者の日常生活及び社会生活を総合的に支援するための法律(障害者総合支援法)」改正法で、この「就労選択支援」の新設が含まれていました。(改正法の施工自体は、2024年4月1日)
障害者総合支援法改正法からサービス開始まで3年……この月日を長いと感じるか、短いと感じるか。そればかりは、人それぞれかと思います。
さて、10月開始予定の「就労選択支援」について、知らない方も数多くいらっしゃるかと思います(国や行政に「福祉関係の情報を広く一般に知ってもらおう」という意向が皆無なことも、就労選択支援の認知度の低さの要因ですが……。)
しかしながら、知らないままでいるわけにはいかない現状が待ち構えています。
なぜなら、就労選択支援は「今後、障害福祉サービスを利用しようとしている方」はもちろん、「今現在、障害福祉サービスを利用している方」にも関係ある制度だからです。
将来的に利用することになる制度なら、今のうちから知識を蓄えておくことに越したことはありません。
時間は、あっという間に過ぎ去ってしまうもの。
「10月なんてまだまだ先」と悠長にしている暇はありません。
ここで「就労選択支援」という言葉に出会ったのも、何かの縁。
ぜひ、当記事を一読して、就労選択支援の理解を深めていただければ、と思います。
それでは、いってみましょう!
今までの障害者向けの就労支援サービスの現状・問題点【H2タグ】

2025年現在、障害者の就労を支援するサービスとしては、主に4種類があります。
大まかな違いについては、以下の表をご覧ください(※当記事では、4つの障害福祉サービスの相違点は主題ではないため、詳細については割愛させていただきます。ご了承ください)。
就労移行支援 | 就労継続支援 (A型) | 就労継続支援 (B型) | 就労定着支援 | |
目的 | 一般企業への就職 | 就労の機会や 生産活動の機会などの提供 | 就職後のサポート | |
雇用契約 | なし | あり | なし | ー |
工賃 (賃金) | 基本なし | あり ※都道府県の 最低賃金以上 | あり ※都道府県の最低賃金を下回ることも | ー |
年齢制限 | 65歳 | 65歳 | なし | ー |
利用期間 | 原則2年以内 | 定めなし | 定めなし | 最長3年 ※1年ごとに 更新が必要 |
上記の表を見る限り、障害者に対して、幅広い障害福祉サービスが提供されていることは、ご理解いただけるかと思います。
実際のところ、現状の障害福祉サービスの問題点は「サポート範囲」ではありません。

「自分の適性が分からないまま、マッチしない障害福祉サービスを利用していた」

「自分の目的に合う障害福祉サービスが分からず、利用開始まで回り道をしていた」

「一度、その障害福祉サービスを利用すると、その後も同じ障害福祉サービスを利用し続けることがある(一旦、就労継続支援A型・B型の利用が始まると、固定されてしまいやすい)」

「本人の立場に立ち、次のステップを促す支援者がいるかどうかで、職業生活や人生が大きく左右されてしまう(人員不足などもあり、利用者の立場に立って、次のステップを促す支援者が少ない)」

「一人で就活・就職まで漕ぎ着けたは良いものの、職場で困ることもあり、就労移行支援の訓練を受けた方が良かった、と後悔した」
上記のように、根本的な問題として、「そもそも障害者を適切な障害福祉サービスに繋ぐことができているのか?」というところがネックになっていたのです。
いくら障害福祉サービスが整っていたとしても、そもそものマッチングが失敗していれば元も子もありません。
この問題の解決策として期待されているのが、「就労選択支援」です。
就労選択支援とは?【H2タグ】

就労選択支援とは、「障害者に対して、本人の希望や適正・能力などに適した就職先や就労支援サービスを選べるようにサポートする障害福祉サービスのこと」です。
簡単に言えば、「適切な進路先を一緒になって考えてくれるコンサルタント」と言ったところでしょうか。
就労選択支援の対象者【H2タグ】

就労選択支援の対象者は、以下の通りです。
- 新たに就労系障害福祉サービスを利用する意向がある方
- 既に就労系障害福祉サービスを利用しており、支給決定の更新の意向がある方
ざっくばらんに言ってしまうと、「就労選択支援の対象者は、就労系障害福祉サービスを利用する方」ということになります。
とはいえ、「就労選択支援は一律に10月開始」というわけではありません。

「10月になったのに、自分(私)は何も対応してもらえていない」
と、あらぬ嫌疑をかけて、事業所等と関係が悪化してしまうことがないよう、下記の表で「いつから就労選択支援が開始するのか」ということを、しっかりご確認ください。
① 新たに就労系障害福祉サービスを利用する意向がある方【H3タグ】
サービスの種類 | 利用方針 | |
就労継続支援B型 | 下記に該当しない方 | 2025年10月から原則利用必須 |
・50歳に達している方 ・障害基礎年金1級受給者 ・就労経験のある方 | 任意 | |
就労継続支援A型 | 2027年4月から原則利用必須 | |
就労移行支援 | 任意 |
② 既に就労系障害福祉サービスを利用しており、支給決定の更新の意向がある方【H3タグ】
サービスの種類 | 利用方針 | |
就労継続支援 B型 | 下記に該当しない方 | 任意 |
・50歳に達している方 ・障害基礎年金1級受給者 ・就労経験のある方 | ||
就労継続支援A型 | ||
就労移行支援 | 2027年4月から原則利用必須 ※標準利用期間を超えて更新を希望する方 |
特別支援学校等の在学者に対する就労選択支援の実施【H3タグ】
就労選択支援の対象者は、特別支援学校等の在学者にも該当します。

「卒業後、自分にできる仕事は? 自分に合うサービス(事業所)は?」

「卒業後、自分の子どもはどんな働き方ができるのか?
本人に合うサービス(事業所)は?」

「生徒が希望する進路先は?」
三者三様(生徒・保護者・先生)の考えがあるなかで、きちんと認識を擦り合わせて、同じ方向に向かうことは、非常に重要なことです。
そこで活躍するのが「就労選択支援」になってきます。
たとえば、以下のような「特別支援学校高等部における年間スケジュール」があったとします。
1年 | 2年 | 3年 | |
4月 | 入学 | ||
5月 | |||
6月 | 保護者面談 | ||
7月 | 職業ガイダンス | 保護者面談 | 保護者面談 |
8月 | |||
9月 | |||
10月 | |||
11月 | |||
12月 | 保護者面談 | 保護者面談 | |
1月 | 保護者面談 | ||
2月 | |||
3月 | 卒業 |
この場合、「紫色のところであれば、いつでも就労選択支援を実施可能として、状況等に応じて柔軟な実施ができる」ことが、厚生労働省の資料には記載してあります。
- 卒業後の進路選択を考える上で、アセスメントした情報を活用できるように、3年生以外の各学年でも利用が可能
- 必要に応じて、在学中に複数回利用することも可能
- 従来の職場実習・施設実習を、就労選択支援のアセスメント場面に活用することも可能
他にも上記のように、「卒業後の進路」という今後を左右する出来事に対して手厚いサポートをするよう、記載されています。
就労選択支援の流れ【H2タグ】

次は、就労選択支援を利用する流れをご説明します。
「1.〜3.までは共通」ですが、「4.以降は時と場合による」ことになります。
- 現在お住いの地域の自治体にある担当窓口とのやりとりや書類申請を行い、就労系障害福祉サービスの利用申請を行う
- 計画相談支援事業所で相談を行う
- ※1 「計画相談支援事業所の一覧」は役所でもらう
- ※2 受け持ってもらえる「相談支援専門員(通称:相談員)」を探すのは非常に困難なため、コチラを参考にすることをオススメします
- 就労選択支援の利用:随時情報提供を行いながら、障害者本人と協同
- アセスメント
- 事業所などとの連絡調整
- 他機関連携によるケース会議
- 本人への情報提供など
- アセスメント結果の作成
Aパターン | |
Bパターン |
|
Cパターン |
|
自分に合った支援を選ぶためには、まずは制度を知ることから【H2タグ】

最後まで読んでいただき、ありがとうございます。
2025年の10月開始予定の「就労選択支援」について、理解していただけたでしょうか?
最後に、「就労選択支援」の現状についてお伝えします。
2025年現在、「就労選択支援を行えるスタッフ」や、「就労選択支援に伴う研修」など、就労選択支援に関する制度の整備が遅れています。
そのため、以下のような段取りになっているようです。
- 就労継続支援B型を「現在利用している方(今後、利用予定の方)」
- 2025年10月、施行開始
- 2年間の猶予期間を挟んで、2027年から本格的に始動
- 就労継続支援A型を「現在利用している方(今後、利用予定の方)」
- 2027年、施行開始
- 2年間の猶予期間を挟んで、2029年から本格的に始動
つまり、就労継続支援A型・B型、ともに「就労選択支援」が導入されるのは、2025年現在から2年後ということになります。
まだまだ時間はありますので、今のうちから新制度について知識を蓄えていきましょう。
当記事の執筆者は、就労継続支援A型事業所ONE STEP利用者のヒラヤマでした。
URL【H2タグ】
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- 就労選択支援について │ 厚生労働省
- 就労選択支援について │ 沖縄県
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