- 2024年9月17日:投稿
一般就労は難しい? 就労継続支援A型の実情

皆さん、こんにちは。就労継続支援A型事業所ONE STEP利用者のヒラヤマです。
きたる9月26日、障がい者の就労を支援する合同企業説明会「おしごと発見フェア2024」が、沖縄コンベンションセンターで開催されます。実際に企業の仕事を体験できるブースが設けられているなど、障がい者にとっては見逃せないイベントとなっています。
就労継続支援A型事業所ONE STEPでも、既に朝のミーティングにて何度か告知がされており、利用者さんの間でも一般就労への機運が高まっています。
さて、ここまで読まれて、一定数疑問に思われた方がいらっしゃるのではないでしょうか?

「本当に就労継続支援A型事業所から一般就労にステップアップできるの?」
答えとしては「YES」です。
とはいえ、言葉だけで信じてもらうのは難しいかと思います。
そこで、厚生労働省が発表しているデータを用いながら、真相を詳らかにしていきます。
・障がい者就労へ応援フェア 9月に合同企業説明会 │ 沖縄タイムス
- 障がい者の働き方<一般就労と福祉的就労>
- 一般就労
- 就労系福祉サービス
- 統計から見る一般就労
- 一般就労への移行者数・移行率の推移(事業種別)
- 就労系障害福祉サービス事業所の利用終了者の状況について(令和元年度)
- 産業別雇用者数の割合
- 年齢階級別雇用者数の割合
- 週所定労働時間別平均賃金(きまって支給する給与)
- 賃金の支払形態
- 就労継続支援A型事業所から飛び立とう!
障がい者の働き方<一般就労と福祉的就労>

まず、障がい者の働き方は、大きく分けて『2つ』あります。
①一般就労 : 一般雇用(オープン就労/クローズ就労)、障害者雇用(オープン就労)
②福祉的就労 : 就労継続支援(A型/B型)、就労移行支援
では、それぞれ詳しく見ていきましょう。
一般就労
一般雇用(オープン就労/クローズ就労)
一般雇用とは、応募条件を満たしていれば誰でも応募可能の求人のことです。
障害のあるなしは関係ありません。
メリットは、求人の数や職種の選択肢が多いことです。
デメリットは、障害者を前提にして応募をかけているわけではないことです。職場で障害への理解や配慮が得られるとは限りません。
また、一般就労は「オープン/クローズド」という2種類に細分化できます。
これは、障害があることを「開示して就職する(オープン)/非開示で就職する(クローズ)」ことを意味します。
障害者雇用(オープン就労)
障害者雇用とは、以下のいずれかの障害者手帳を持っていなければ、応募できない求人のことです。
- 身体障害者手帳
- 療育手帳
- 精神障害者保健福祉手帳
メリットは、前述の一般雇用とは異なり、職場で障害への理解や配慮が得られやすいことです。また、勤務時間や業務内容などについて、相談しやすい体制となっています。
デメリットは、一般雇用と比べると、求人の数や職種の選択肢が少ないことです。
就労系福祉サービス
就労系福祉サービスには、大きく分けて3つあります。
- 就労継続支援A型事業所
- 就労継続支援B型事業所
- 就労移行支援
ここでは軽く触れる程度に留めておきますが、もっと詳しく就労継続支援事業所(A型/B型)について知りたい方は、ぜひコチラを読んでみてください。
就労継続支援A型事業所

就労継続支援A型事業所とは、「障がい者が雇用契約を結び、一定の支援やサポートがある職場で働くことができる障害福祉サービス」のことです。
ヒラヤマが勤務している『はじめのいっぽ ONE STEP(ホームページ/Instagram)』も、この就労継続支援A型事業所に含まれます。
ちなみに、沖縄県には就労継続支援A型事業所が計118件あります(※内訳としては、那覇市が31件、浦添市が7件、宜野湾市が7件など。詳しくはコチラで検索してみてください)。
就労継続支援B型事業所
就労継続支援A型事業所との一番の違いは、「就労継続支援B型事業所は、障がい者が雇用契約を結ばないこと」です。
雇用契約を結ばないことにより、最低賃金が保証されないデメリットがあります。
その一方、原則週5日勤務の就労継続支援A型事業所とは違い、もっと自由に勤務日数を決めることができます。
就労移行支援
一見すると、就労移行支援も就労継続支援(A型/B型)も似たようなものに思えます。
ですが深堀りしていくと、その差異は明らかです。
目的
- 就労移行支援:就職に必要なスキルを身につけるなど、就労に特化している
- 就労継続支援(A型/B型):就労の機会の提供および生産活動の機会の提供
対象者
- 就労移行支援:一般就労を希望する方向け
- 就労継続支援(A型/B型):まだ一般就労が難しいと考えている方向け
雇用契約
- 就労移行支援:なし(賃金は基本はなし)
- 就労継続支援(A型):あり(各都道府県ごとの最低賃金が保証される)
- 就労継続支援(B型):なし(各都道府県ごとの最低賃金ではなく、工賃が発生する)
利用期間
- 就労移行支援:原則2年
- 就労継続支援(A型/B型):定めなし
- 参考URL
統計から見る一般就労

一般就労への移行者数・移行率の推移(事業種別)
令和4年度における一般就労への移行者数の推移は以下のとおりです。
一般就労への移行者数の推移 | サービス利用終了者に占める一般就労への移行者割合の推移 | |
全体 | 21,919人 | 29.3% |
就労移行支援 | 13,288人 | 53.7% |
就労継続支援A型 | 4,185人 | 25.1% |
就労継続支援B型 | 4,446人 | 13.2% |
就労系障害福祉サービス事業所の利用終了者の状況について(令和元年度)
終了者数(人) | 就職した方の割合(人数) | 利用者に占める 終了者の割合 | |
就労移行支援 | 24,282 | 54.7%(13,288人) | 72.4% |
就労継続支援A型 | 16,693 | 25.1%(4,185人) | 23.1% |
就労継続支援B型 | 33,749 | 13.2%(4,446人) | 12.5% |
産業別雇用者数の割合
やはり一番目を引くポイントとしては「卸売業・小売業」の多さでしょう。
「身体障害者が21.2%」「知的障害者が32.9%」「精神障害者が25.8%」という割合はダントツです。一般就労で何度か「お祈りメール」されてしまった方は、こちらの職種を狙ってみるのも良いかもしれません。
身体障害者(%) | 知的障害者(%) | 精神障害者(%) | |
農業・林業 | 0.5 | 2.1 | 1.5 |
漁業 | 0.0 | 0.0 | 0.0 |
鉱業・採石業・砂利採取業 | 0.0 | 0.0 | 0.0 |
建築業 | 6.5 | 1.3 | 5.0 |
製造業 | 21.3 | 15.4 | 15.4 |
電気・ガス・熱供給・水道業 | 0.5 | 0.0 | 0.2 |
情報通信業 | 3.1 | 0.3 | 2.6 |
運輸業・郵便病 | 8.4 | 8.1 | 7.0 |
卸売業・小売業 | 21.2 | 32.9 | 25.8 |
金融業・保険業 | 2.7 | 0.3 | 4.3 |
不動産業・物品賃貸業 | 1.8 | 1.1 | 1.3 |
宿泊業・飲食サービス業 | 4.1 | 11.1 | 4.9 |
教育・学習支援業 | 2.3 | 0.6 | 1.4 |
医療・福祉 | 11.0 | 12.2 | 13.8 |
複合サービス事業 | 1.6 | 1.4 | 2.6 |
サービス業 | 14.9 | 13.2 | 14.2 |
年齢階級別雇用者数の割合
常用雇用者(%) | 身体障害者(%) | 知的障害者(%) | 精神障害者(%) | |
19歳以下 | 0.8 | 0.1 | 2.0 | 0.8 |
20〜24歳 | 7.3 | 2.5 | 25.0 | 9.5 |
25〜29歳 | 10.7 | 3.8 | 18.1 | 15.1 |
30〜34歳 | 10.0 | 4.7 | 18.0 | 13.4 |
35〜39歳 | 10.9 | 7.8 | 9.2 | 12.2 |
40〜44歳 | 12.0 | 6.3 | 8.0 | 12.3 |
45〜49歳 | 12.1 | 11.8 | 5.1 | 12.1 |
50〜54歳 | 13.2 | 15.8 | 8.6 | 15.7 |
55〜59歳 | 10.1 | 16.3 | 2.6 | 5.8 |
60〜64歳 | 6.8 | 13.0 | 1.9 | 2.6 |
65歳以上 | 4.0 | 17.4 | 0.5 | 0.8 |
週所定労働時間別平均賃金(きまって支給する給与)
身体障害者 | 知的障害者 | 精神障害者 | |
障害者平均 | 235万円 | 137万円 | 149万円 |
通常(30時間以上) | 268万円 | 157万円 | 193万円 |
20時間以上〜30時間未満 | 162万円 | 111万円 | 121万円 |
10時間以上〜20時間御南 | 107万円 | 79万円 | 71万円 |
10時間未満 | 67万円 | 43万円 | 16万円 |
賃金の支払形態
身体障害者(%) | 知的障害者(%) | 精神障害者(%) | |
月給制 | 65.7 | 24.8 | 43.4 |
日給制 | 4.1 | 1.9 | 1.8 |
時給制 | 27.3 | 72.5 | 53.6 |
その他 | 1.6 | 0.6 | 1.1 |
無回答 | 1.3 | 0.2 | 0.1 |
就労継続支援A型事業所から飛び立とう!

いかがだったでしょうか?
データを紐解いていくことで、分かることがいくつもあります。
実際にデータを見ることによって、ぼんやりと想像していたイメージが、より鮮明になったのではないでしょうか。
就労継続支援や就労移行支援に慣れてきた方は、ぜひ次のステップとして一般就労を目指してみてください。
今回の記事の執筆者は、就労継続支援A型事業所ONE STEP利用者のヒラヤマでした。