調子が良い日こそ注意!元気なときに“あえて休む”逆説的セルフケア

こんにちは!就労継続支援A型事業所ONE STEP利用者のしおりぃです。

「今日は久しぶりに体が軽い!」
「気分が良いから、溜まっていた家事や仕事を一気に片付けよう!」
うつ病や双極性障害などの当事者の方なら、こんな風に張り切った経験はありませんか?

しかし、その翌日や数日後に「まったく体が動かない」「ベッドから起き上がれない……」といった大きな反動に襲われてしまったことはないでしょうか。

せっかくの休日も潰れてしまい、また回復した途端に遅れを取り戻すように動き続ける。「頑張る日」と「疲れて潰れる日」という極端な二極化を繰り返していると、心身の回復が追いつきません。

実はそれ、調子が戻ったのではなく「エネルギーの前借り」をしてしまっているのかもしれません。

今回は、この辛い悪循環から抜け出すための「調子が良い日こそあえてブレーキを踏む」という逆説的セルフケアについてご紹介します。

なぜ「調子が良い日」に動きすぎてしまうのか?

「調子が良い日くらい、たくさん動いてもいいじゃないか」と思うかもしれません。

実は、私もずっとそう思っていました。「今動かないと、もったいない!」と動き出して、翌日以降に強い疲れを引きずる……という失敗を何度も経験してきました。実際、今でもあります。

ですが、なぜ私たちは限界を超えて動いてしまうのでしょうか?
その裏には、当事者ならではの心理的なメカニズムが大きく関係しています。理由を大きく3つに分けてみました!

動きすぎてしまう3つの理由

  1. 焦りと罪悪感(遅れを取り戻したいという心理)
    調子が悪く動けなかった期間があると「あの時の遅れを取り戻さなきゃ」「周りに迷惑をかけた分、頑張らないと」という強力なプレッシャーを自分にかけてしまいがちです。
  2. 動ける嬉しさで疲労感が麻痺する
    久しぶりに体が思うように動く快感から、脳内でアドレナリンやドーパミンなどの物質が分泌され、興奮状態になります。その結果、身体が出している「実はもう疲れている」というSOSのサインを見落としてしまうのです。
  3. 実は「ハイ状態(軽躁)」になっている
    「病気が回復した」のではなく、症状として一時的に気分が高揚する「軽躁(けいそう)状態」に入っているケースもあります。この状態の体力は、いわば「元気の前借り」です。

【エネルギーを使い果たしてしまう悪循環ループ】

  1. 絶好調!(エネルギーを限界まで一気に使い切る)
  2. 限界突破(本当は疲れているのに、気力で動き続けてしまう)
  3. エネルギー枯渇(バッテリーがゼロになり、急激に動けなくなる)
  4. 強い自己嫌悪(「またやってしまった」「やっぱり自分はダメだ」と深く落ち込む)

このように「急上昇しては急降下する」という激しい波を繰り返すことで、心身の消耗はさらに激しくなり、結果として回復までの時間が長引いてしまうのです。

元気な日にブレーキを踏む!3つのセルフケア

この辛い悪循環を断ち切るためには、一体何が必要なのでしょうか?

実は、一見矛盾しているようにも思える「動ける日こそ、あえて動きを制限する」という考え方が重要になってきます!

具体的な3つのコツを一緒に見ていきましょう。

①「6割の力」で作業を切り上げる

「まだ余裕がある」「あとこれくらいならできそう」と感じるタイミングで、あえて作業をストップしましょう。

「あと4割も動けるのにもったいない!」と感じるかもしれません。ですが、うつ病などの精神疾患を抱えている方は、刺激に対して脳や体が消耗しやすい状態にあります。

残した4割のエネルギーこそが「明日も明後日も、安定して過ごすための予防線」になります。なので「ちょっと物足りないな」くらいでやめるのがちょうど良いのです。

②元気な日こそ「何もしない時間」をスケジュールに入れる

調子が良い日は、ついつい予定をぎっしり詰め込みたくなります。 だからこそ、カレンダーや手帳にあらかじめ「休憩」という予定を書き込んでおきましょう。

例:14:00〜14:30|ソファーで目を閉じて温かいお茶を飲む

休憩は「疲れて動けなくなったから取るもの」ではなく「倒れないためにあらかじめ取るもの」と意識を変えていきましょう。

【やってしまいがちだけどNGな過ごし方】

  • SNSを見る:他人のキラキラした生活や強い言葉の情報に触れると、脳が刺激を受けて一気にエネルギーを奪われます!
  • 動画サイトをザッピングする:次々と新しい動画を探す行為自体が、脳を過度に興奮させてしまいます。
  • 「意味のあること」をしようとする:資格の勉強や読書などは、脳を使う「アクティブな行動」に含まれるため、休憩には適していません。

【何もしない時間のおすすめの過ごし方】

  • 目を閉じて音だけを聞く:画面を見る行為は脳を激しく消耗するので、自然音やラジオなど「聴くコンテンツ」に耳を傾けてみましょう。
  • ぼんやり景色を眺める:流れる雲、風に揺れる木々、遠くを歩く人などを「映画を見るように」眺めてみましょう。意味を探そうとせず、ただ視界に入るものをぼんやりと受け流すのがコツです。
  • ノートに今の気持ちを書いてみる:「今この時間、もったいないな」「暇だな」「焦ってしまう」など、今のあなたの気持ちを素直に書いてみましょう。綺麗に書く必要はありません。頭の中のモヤモヤを外に出すイメージで書くのがおすすめです。

③1日の「タスクの上限」をあらかじめ決めておく

調子が良いからといって「ついでにあそこの掃除もしよう!」「せっかくなんだからあそこまで散歩に行こう!」と予定を追加してしまうこと。これが、過活動の罠です。

前日や朝の段階で「今日のタスクは3つまで」と決め、たとえ午前中にそれが終わって午後の時間が余ったとしても、追加のタスクは行わないようにしましょう。

「でも、どうしても気になって動きたくなってしまう……」という方へ、私しおりぃが実践している方法を紹介します!

それは……「明日やるリスト」へタスクを移動させることです!

やり方は簡単です。追加でやりたいことを思いついたら、ノートに今日のページではなく、翌日以降のページ(または新しい付箋)に書き出します。物理的に視界から消すことで「今日はここまで!」と区切りをつけやすくなります。「明日の楽しみに取っておく」という捉え方をすることで、もどかしさが軽減されますよ。

自分の「危険サイン」に気づくセルフモニタリング

過活動を防ぐためには「自分が今、エネルギーを使いすぎているかどうか」を客観的に観察する習慣がとても役立ちます。

以下のようなサインが出ていたら、身体からの「イエローカード」かもしれません。

  • 話すスピードや歩くペースが、普段より明らかに早い
  • アイデアが次々と浮かんできて、頭の中が忙しい
  • 夜、睡眠時間が短くても目が冴えて「平気」だと感じる
  • イライラしやすくなったり、他人の動作がもどかしく感じたりする

もしこれらのサインに気づいたら「あ、今の自分は少しハイペースかもしれないな」と立ち止まり、深呼吸をしたり温かい飲み物を飲んだりして、意図的にクールダウンを試みてください。

おわりに:明日の自分に元気をつなぐために

調子が良い日にあえて活動を抑えるのは、最初は少しもったいなく感じたり、罪悪感を覚えたりするかもしれません。

しかし、メンタルヘルスの回復において大切なのは「一時的に100点満点を出すこと」ではなく「波を穏やかにして、40点〜60点の状態を長く維持すること」です。

調子が良い日に踏むブレーキは、決して「怠け」や「逃げ」ではありません。
それは「明日も、来週も、あなたが笑顔で自分らしく過ごすための賢い戦略」なのです。

次に「今日は絶好調だ!」と感じる日が来たら、ぜひ「あえて6割でやめてみるセルフケア」を試してみてくださいね。

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