共同生活してみませんか?障害者グループホーム丨種類・サービス内容・入居条件・補助等を解説

障害者グループホーム サムネイル

・2023年1月12日 投稿 

ようこそ、障害者グループホーム(共同生活援助)へ

 皆さん、こんにちは。
 就労継続支援A型事業所ONE STEP 利用者のヒラヤマです。
 今回の記事は、ONE STEPの利用者さんから熱烈な要望があった、『グループホームについて』になります。

 「就労継続支援A型事業所とグループホームって、なにか関係あるの?」

 「グループホームって、高齢者の人が暮らすところじゃないの?」

 このような疑問を持たれた方も少なくないのではないでしょうか?
 実は、グループホームには『高齢者向け(介護施設)』と『障がい者向け(福祉施設)』の2種類があります
 たいていは、ひとまとめに『グループホーム』とされていて、正直紛らわしいです(笑)
 ですが、就労継続支援A型(B型)や就労移行支援、自立支援などに通われている方にとっては、知っておいて損はない情報だと思います。

 利用する/利用しない は別にして、『障害者グループホームという選択肢がある』という知識がなければ、検討することさえできないですからね。

 令和2年の厚生労働省による発表では、障がい者グループホームの事業所数が9,000、利用者数は約14万人を超えています。 実際、ONE STEPに通っている利用者さんのなかにも、障害者グループホームに住んでいる方もいらっしゃいます。
 もしかしたら気づいていないだけで、今この記事を読んでくれているあなたの身近にも、障がい者グループホームにお住まいの方がいらっしゃるかもしれません。
 WAM NETで検索した限りだと、那覇市では13件、浦添市では4件、宜野湾市では2件、沖縄県本島では合計114件の障害者グループホーム(共同生活援助)があるようです。
 気になる方は、一度検索してみることをオススメします。
 どんな物件があるのか知ることで、より具体的に想像しやすくなると思います。

 ホームページに足を運んでくださった方に、少しでも有益になれば幸いです。
 それでは、行ってみましょう!

■目次■

  • 障害者グループホーム(共同生活援助)とは?
  • 障害者グループホームの種類
  • 障害者グループグループホームを利用するときにかかる費用/料金
    • 1.障害福祉サービス利用料
    • 2.家賃
    • 3.利用者の負担額を軽減する方法
  • 障害者グループホームの入居条件
    • 1.障害者手帳を交付されている方
    • 2.原則18歳以上の方(15歳以上の方でも可能の場合あり)
    • 3.障害支援区分の認定を受けている方
  • 障害者グループホームを利用するまでの流れ
  • 沖縄県の障害者グループホームの一例
  • 障がいのある方の住居の選択肢のひとつとして

障害者グループホーム(共同生活介護)とは?

 障害者グループホームとは、その名の通り、障がいがある方が共同で生活する場所のことです。
 皆さんが「グループホーム」と聞いて想像する『高齢者の方が生活する施設』の障がい者向けバージョンと思っていただければ問題ありません。
 ちなみに『(障害者)共同生活援助』という制度がありますが、こちらは障害者グループホームの正式名称なので、どちらも意味は同じです。

障害者グループホームの種類

グループホーム
グループホームの種類 解説
介護サービス包括型
<軽・中度の障がい者向け>
<サポートしてくれる時間帯>
・主に夜間や休日になります
・平日の日中は、就労継続支援などを利用している方が多いです 

<主なサービス内容>
・洗濯
・掃除
・調理
・入浴
・排泄
・食事
・就労先や病院などの関係機関との連絡調整
・休日などのプライベート活動の援助など
・相談や問題などがあれば、グループホーム職員(生活支援員)に対応してもらうことも可能

<備考>
事業者数/離床者数ともに最多なので、最もオーソドックスな障害者グループホームといえます

<入居者の割合>
入居者は中程度の知的障害を持つ方が多いようです
外部サービス利用型
<軽度の障がい者 向け>
<就労継続支援A型向け>
<サポートしてくれる時間帯>
・主に夜間や休日になります
・平日の日中は、就労継続支援などを利用している方が多いです

<主なサービス内容>
・洗濯
・掃除
・調理
・就労先や病院などの関係機関との連絡調整
・相談や問題などがあれば、グループホーム職員(生活支援員)に対応してもらうことも可能です

<備考>
・上記の介護サービス包括型との違いは、入浴や排泄などに関しては、外部委託(委託契約を結んだ介護事業者)のホームヘルパーが行うところです

<入居者の割合>
入居者は軽度の精神障害を持つ方が多いようです
日中活動サービス支援型
<重度の障がい者 向け>
<サポートしてくれる時間帯>
夜間や休日だけでなく、一日を通してサポートしてくれます

<主なサービス内容>
・日常生活を送ることが困難な方への援助を対象にしています
・一日を通して、色々な介護給付/障害福祉サービスを受けることができます

<入居者の割合>
入居者は重度の知的障害を持つ方が多いようです
サテライト型
<一人暮らしをしたい障がい者 向け>
<将来的に一人暮らしを希望する方に適しています>
<サポートしてくれる時間帯>
・主に夜間や休日になります
・平日の日中は、就労継続支援などを利用している方が多いです
 
<主なサービス内容>
・アパートやマンションなどの一室を借りて生活するので、一人暮らしに近い形態です
・食事や余暇時間などはグループホームを利用します
・相談や問題などがあれば、グループホーム職員(生活支援員)に対応してもらうことも可能です
<備考>
・サテライト型の物件は「グループホームから移動距離20分圏内」と定められています
利用できる期間は原則2年間です(3年の場合も稀にあるようです)

<注意点>
・あくまでも障害者グループホームが用意したアパートやマンションがサテライト型として利用できるだけです。自身がお住まいの住宅がサテライト型になるわけではないので、ご注意ください

障害者グループホームを利用するときにかかる費用/料金

電卓をたたくサービス管理責任者

 多くの方が一番気になるところは、『金銭面』かと思います。
 主に障害者グループホームを利用するにあたって必要になる費用は、大まかに3つに分類されることができます。

  • 障害福祉サービス利用料
  • 家賃
  • 食費+光熱水費+日用品費+日常生活に関わる生活費

 それぞれ個別に見ていきましょう。

障害福祉サービス利用料

 障害者グループホームを利用するためには、利用料を払う必要があります
 これは制度上決まっていることなので、必ず支払わなければなりません
 利用料は、年齢と所得によって『0円〜37,200円までの間』で変動します。
 ご自身がどの区分に入るか気になる方は、下記のa.〜c.をご確認ください。

a.所得を判断する際の世帯の範囲

種別 世帯の範囲
18歳以上の障害者
(施設に入所する18〜19歳は除く)
障害のある方と、その配偶者
18歳未満の障がい児
(施設に入所する18〜19歳は除く)
保護者の属する住民基本台帳での世帯

b.サービス利用料の上限月額とその区分(18歳未満)

 未成年の方には障害児入所支援という制度もありますので、興味のある方はこちらからご確認ください。

所得区分 世帯の収入状況 負担上限額
生活保護 生活保護受給世帯 0円
低所得者 市町村民税非課税世帯 0円
一般1 居宅で生活する障害児 4,600円
居宅で生活する障害者および20歳未満の施設入所者 9,300円
一般2 上記以外 37,200円

c.サービス利用料の上限月額とその区分(18歳以上)

区分 世帯の収入状況 上限負担額
生活保護 生活保護受給世帯 0円
低所得 市町村民税非課税の世帯
※3人世帯で障害者基礎年金1級受給の場合、収入がおよそ300万円以下の世帯が対象
0円
一般1 市町村民税非課税の世帯(所得割16万円未満)
※収入がおよそ600万円以下の世帯が対象
※入所施設利用者(20歳以上)、グループホーム利用者は、市町村民税課税世帯の場合、『一般2』の区分になります
9,300円
一般2 上記以外 37,200円

家賃

 家賃は、地域ごとによって異なります。
 だいたい2〜5万円程度になる場合が多いようです。
 また、『家賃助成金』という制度があり、最大で1万円の助成金が支給されます。
 ご自身が対象かどうかは、下記の表をご確認ください。

障害者グループホームの家賃補助制度

 障害者総合支援法の中に、特定障害者給付(補足給付)という制度があります。 
 この制度を利用することで、対象の方は「家賃補助制度」を利用することができます。
 申請しなければ助成金は下りないので、忘れずに必ず申請しましょう。

家賃補助制度の対象者 家賃補助制度の補助の内容
1)市町村民税非課税世帯
2)生活保護を受けている方
・家賃が1万円未満の場合⇨実費を支給
・家賃が1万円以上の場合⇨1万円を上限に支給(家賃助成金)

利用者の負担額を軽減する方法

 障害者グループホームを利用する際、負担額を軽減する方法が、先程の家賃助成金以外にもいくつか存在します。
 制度上定められているものから、市区町村が独自に行っているものまで多岐に渡ります
 すべてを記載してしまうと、長くなってしまうので、いくつかをピックアップして載せておきます。詳しく知りたい方は、福祉課や相談員さんなどに尋ねてみてください。

  • 医療型個別減免
  • 高額障がい福祉サービス等給付金
  • 生活保護への移行防止策
  • 食費等実施負担の減免処置
  • 自立支援給付
  • 障害者自立支援法(特定障害者給付費/特例特定障害者特別給付費)
  • 障害児入所支援
  • 千葉市グループホーム家賃助成事業(千葉県千葉市)

障害者グループホームの入居条件

余暇

 障害者グループホームに入居するには3つの条件があります。

 一点目は『障害者手帳を交付されている方』です。
 二点目は『原則18歳以上〜65歳未満の方』です
 三点目は『障害者支援区分の1〜6に認定されている方』です。
 ※障害者支援区分において『非該当』と判断されると、障害者グループホームは利用できないのでご注意ください

①障害者手帳を交付されている方

 障害者手帳を交付してもらうには、以下のいずれかに該当している必要があります。

  • 知的障がい者
  • 身体障がい者
  • 精神障がい者
  • 発達障がい者
  • 難病患者

②原則18歳以上の方(15歳以上の方でも可能)

 一般的に、障害者グループホームは18歳以上から利用可能となっています。
 ですが、児童相談所長が認めた場合に限って、15歳以上でも利用できるようになっています。
 また、身体に障がいのある方は、65歳未満である/65歳になる前日までに障害福祉サービスを利用したことがある場合に限定されています。

③障害支援区分の認定を受けている方

障害者支援区分とは?

 ひとえに「障害のある方」といっても、『どれくらいの支援・援助を必要としているか』などは千差万別です。
 当人の主治医や相談員ならまだしも、国や役所が個々人を逐一判断することは到底できません。
 そこで、当人がそれくらいの支援・支援が必要なのかを、誰が見ても分かるように、数値化したものが障害者支援区分です。
 区分1から順に数字が大きくなると、必要とされる支援の度合いが高いということになります。
 なお、非該当と判断されてしまうと、障害者グループホームを利用できなくなるのでご注意ください。
 障害者支援区分の認定手続きの流れは、こちらをご確認ください。
 また、介護給付についても障害支援区分によって利用できるか判断されます。

障害支援区分の定義(法第4条大4項)

必要とされる
支援の度合い
(低い)←ーーーーーーーーーーーーーーーーー→(高い)
区分 非該当 区分1 区分2 区分3 区分4 区分5 区分6















居宅
介護
重度
訪問
介護
行動
援護
同行
援護

※1
短期
入所
療養
介護

※2
生活
介護

障害者グループホーム利用の流れ

 下記のグラフは、あくまでも大まかな参考例です。
 若干、前後順番が変わったりすることがあります。ご注意ください。
 よく分からない場合は、お住まいの障害福祉課窓口や、相談事業所・指定相談支援事業者に「障害者グループホームを利用したいのですが、どうしたらいいですか?」と、素直に投げてしまって良いかと思います。

行程 解説
 お住まいの市区町村の障害福祉課で『障害者手帳』の申請を行い、交付してもらいます 障害者手帳は、申請から交付までに最低でも1ヶ月ほど時間を要します。
 約3ヶ月ほどで、ほとんどの方が交付されているようです。
 どちらかの方法で『障害福祉サービスの利用申請を行う』必要があります

A ご自身で、お住まいの市区町村の福祉課で障害福祉サービスの利用申請を行う

B.指定相談支援者に代行してもらい、障害福祉サービスの利用申請を行う

 ※障害者グループホーム利用には、障害者指定区分の認定が必須です。
 認定を受けていない方は、この段階で必ず申請しましょう
・『障害福祉サービス利用申請』と『障害者グループホーム探し』は、前後が逆になったり、同時並行になったりします。
 相談支援事業所や市区町村の障害福祉課などに相談しながら、臨機応変に行動しましょう。

グループホームは事前見学や体験入居ができるところもあるので、遠慮したりせず、必ず一度は見学しておきましょう。
 ホームページに掲載されている写真などだけでは分らないことも多々あるからです。
 入居したいグループホームを探す/決める
 障害者グループホームと契約を結びます
 ※障害者指定区分の記載がある障害福祉サービス受給者証が必須です
 契約を結んでから、実際に障害者グループホームを利用できるまでは若干タイムラグがあります

沖縄県の障害者グループホームの一例

 沖縄県内の障害者グループ(共同生活援助)を、いくつか挙げておきます。
 あくまで一例ですので、興味が湧いた方は、ぜひご自身で探してみてください。
 WAM NETの場合、お住まいの地域を選択して、『サービスを選択』から『共同生活援助』にチェックを入れれば検索できます。

障害のある方の住居の選択肢のひとつとして

ようこそ、障害者グループホームへ

 今回の記事はいかがだったでしょうか?
 障害者グループホーム(共同生活援助)について、必要最低限の説明はできたかと思います。
 ただ、共同生活援助に関わる制度などは多岐にわたるため、今回の記事で触れた情報は、あくまで一部でしかありません。逆に考えれば、それだけ援助の幅が広いとも言えます。
 確かに福祉の制度は複雑で分かりにくいものが多いですが、使いようによっては、とても便利なものになります。

 量も長く専門用語も多く、何度も挫けてしまいそうになるなかで、私の文章を最後まで読んでくださった画面の向こうのあなた!

 そんなあなたの未来の選択肢を広げるきっかけになれば、執筆者としても嬉しく思います。
 今回の記事の執筆者は、就労継続支援A型事業所ONE STEP利用者のヒラヤマでした。

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就労継続支援A型事業所ONE STEP 利用者のヒラヤマです。 サッカー鑑賞が趣味で、生粋の猫派。 ブロク記事執筆は初めてですが、少しでも読みやすい内容を目指して日々努力中! よろしくお願いします

2件のコメント

    1. コメントありがとうございます。お仕事中に疑問点などがあればチャットによる文字での質問なども随時受け付けております。また、職員からの説明もアプリを使用することで文字に変換することも可能なので特に問題はないかと思われます。気になるようでしたら見学にお越しになりませんか?メッセージフォームからお気軽にメッセージを送ってください。それではお待ちしております。

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