特別支援学校は高等部だけじゃない!幼稚部・小学部・中学部が併設されているところもあります

知っておきたい大切なこと:特別支援学校ってどんなところ?
  • 2024年3月9日:投稿
  • 2024年3月18日:加筆修正
    • 沖縄県立特別支援学校高等部(23校)の定員数について

 就学先は通常学級?通級?特別支援学級?特別支援学校?

 みなさん、こんにちは。
 就労継続支援A型事業所ONE STEP(ワンステップ)のヒラヤマです。

 皆さんは「インクルーシブ教育」というものをご存知ですか?
 インクルーシブ教育とは、「国籍や人種、言語、性差、経済状況、宗教、障害のあるなしにかかわらず、すべての子どもが共に学び合う教育のこと」です。
 ところが、日本では「特別支援学校」というものがあるように、健常者と障がい者が別々に分かれていることがほとんどです。
 そのこともあり、健常者の方は「特別支援学校」という言葉自体知らない方も少なくないと思います。 

 前提として、『特別支援学校とは、心身に障害がある生徒・児童が通える学校のこと』です。(この場合の心身の障害とは「視覚障害者」「聴覚障害者」「知的障害者」「肢体不自由」「病弱」の5つのことを指していて、発達障害は含まれていません。ですが、後述の就学相談の結果次第では発達障害であっても、特別支援学校に入学できます。)
 また、2007年以降には「ろう学校」「盲学校」「養護学校」の3つが統一されて、「特別支援学校」となりました。

 文部科学省の発表によると、令和2年度の「特別支援学校は1,505校/在学者数は196,281名」。平成22年度は145,431名で、年々増加傾向にあります。
 その背景としては発達障害の理解が進んできたことにあるようです。

 以上のように、決して珍しい進学先ではない『特別支援学校』。
 とはいえ、認知度が高いわけでもありません。
 そこで今回は、特別支援学校についてまとめてみました。
 障がい者ご本人や保護者の方はもちろん、健常者の方にも、是非一読して頂きたいです。

 それでは、いってみましょう!

 特別支援学校とは?

基礎から学ぶ特別支援学校
基礎から学ぶ特別支援学校

 特別支援『学校』と特別支援『学級』との違い

 特別支援『学校』と特別支援『学級』は一見すると、見間違えてしまいそうですが、実際には明確な違いがあります。
 また勘違いされやすいのですが、特別支援『学校』には「幼稚部」「小学部」「中学部」が付属しているところもあるので、必ずしも『特別支援学校=中学卒業後の進路』とは限りません

特別支援『学校』特別支援『学級』
対象となる生徒・児童◯視覚障害者
◯聴覚障害者
◯知的障害者
◯肢体不自由者
◯病弱者
◯知的障害
◯肢体不自由
◯病弱・身体虚弱
◯弱視
◯難聴
◯言語障害
◯自閉症・情緒障害
 ※あくまでも制度上、上記のような区分になっていますが、実際は自閉症の児童・生徒でも特別支援学校に入学できるので、通っている学校などにご相談ください
強み学習面だけはなく生活面も含めた全般的なサポートがある(特別支援学級とは比べ物にならないほど手厚い)
・特別支援学校で働くためには「特別支援学校教諭免許状が必要」⇨障害の特性に熟知している教師にサポートや指導を行ってもらえる
・どちらかというと、学習面でのサポートが手厚い
・通常の学校に通っているので、障害のない児童と接する機会もある⇨コミュニケーション能力が育ちやすい環境がある
弱み・受験に合格しないと入学できないあくまでも通常の学校にあるので、特別支援学校教諭免許状を有していない(障害に詳しくない)教師とも接することがある
設置されている場所 ひとつの独立した学校のなかに「幼稚部」「小学部」「中学部」「高等部」が設置されている 通常の「小学校」「中学校」の中に設けられているクラス
 ※高校には設置されていない
編成と人数 障害の種類ごとに同学年の生徒が集められて編成
 ・小学部:6名以下
 ・中学部:6名以下
 ・高等部:8人以下
 知的と情緒クラスに分かれていることが一般的、且つ、違う学年の生徒が在籍することもある

 入学可能な障害の程度

区分障害の程度
視覚障害者 両眼の視力がおおむね0.3未満のもの又は視力以外の視機能障害が高度のもののうち、拡大鏡等の使用によつても通常の文字、図形等の視覚による認識が不可能又は著しく困難な程度のもの
聴覚障害者 両耳の聴力レベルがおおむね60デシベル以上のもののうち、補聴器等の使用によつても通常の話声を解することが不可能又は著しく困難な程度のもの
知的障害者 一 知的発達の遅滞があり、他人との意思疎通が困難で日常生活を営むのに頻繁に援助を必要とする程度のもの
 二 知的発達の遅滞の程度が前号に掲げる程度に達しないもののうち、社会生活への適応が著しく困難なもの
肢体不自由者 一 肢体不自由の状態が補装具の使用によつても歩行、筆記等日常生活における基本的な動作が不可能又は困難な程度のもの
 二 肢体不自由の状態が前号に掲げる程度に達しないもののうち、常時の医学的観察指導を必要とする程度のもの
病弱者 一 慢性の呼吸器疾患、腎臓疾患及び神経疾患、悪性新生物その他の疾患の状態が継続して医療又は生活規制を必要とする程度のもの
 二 身体虚弱の状態が継続して生活規制を必要とする程度のもの

 特別支援学校に通うためには

 幼稚部・小学部・中学部から特別支援学校に通う場合

就学相談

 特別支援学校に通うためには、まず『就学相談』を受けなければいけません
 就学相談とは『子どもの就学先(通常学級・通級指導教育・特別支援学級・特別支援学校など)を選ぶために話し合うこと』です。
 あくまでも話し合いなので、「就学相談をしたら、自動的に特別支援学級を選ばされる」といったことはないので安心してください。専門家や学校などの意見を聞いて、最終的に判断を下すのは子どもや保護者に委ねられます。
 申し込み方法は「市区町村の教育委員会への電話等で申し込む」「通学している保育園や幼稚園を通して申し込む」の2つ。どちらの場合であっても、保護者が自ら申し込む必要があります。
 また、就学相談と類似したもので「教育相談」というものがあります。
 教育相談は「進学先をひっくるめた、子どもの発達や家庭内など全般的なことを相談できる場」といった感じです。

 高等部から特別支援学校に通う場合

 高等部は義務教育ではないので、小学部・中学部のように就学相談を受ける必要はありません。普通の高校受験のような経緯を経て、合格後に入学――という形を取ります。

 特別支援学校に入学するまでの大まかなスケジュール

  1. 就学予定1年前の4月〜:就学相談・教育相談
  2. 5月頃〜:特別支援学校による学校生活
  3. 10月頃:就学先を決定⇨願書提出
  4. 11月頃:入学試験⇨合否判定
  5. 1月:就学先を決定⇨通知書が届く
  6. 4月:入学

 沖縄県立特別支援学校高等部(23校)

沖縄県にある特別支援学校の一覧
沖縄県にある特別支援学校の一覧

 那覇市

那覇特別支援学校

学校名那覇特別支援学校
所在地〒902-0064 那覇市寄宮2-3-30
地図グーグルマップ
電話番号/FAXTEL:098-834-0948 / FAX:098-834-6430
ホームページhttp://www.naha-sh.open.ed.jp/
校種肢体不自由
付属・学部小学部・中学部・高等部(普通)

那覇みらい支援学校

学校名那覇みらい支援学校
所在地〒900-0024 那覇市古波蔵4丁目10番17号
地図グーグルマップ
電話番号/FAXTEL:098-855-7831 / FAX:098-855-7832
ホームページhttp://www.nahamirai-sh.open.ed.jp/
校種知的障害・肢体不自由・病弱
付属・学部小学部・中学部・高等部(普通)

 浦添市

大平特別支援学校

学校名大平特別支援学校
所在地〒901-2113 浦添市大平1-27-1
地図グーグルマップ
電話番号/FAXTEL:098-877-4941 / FAX:098-876-4148
ホームページhttp://www.ohira-sh.open.ed.jp/
校種肢体不自由
付属・学部小学部・中学部・高等部(普通)

鏡が丘特別支援学校

学校名鏡が丘特別支援学校
所在地〒901-2104 浦添市当山3-2-7
地図グーグルマップ
電話番号/FAXTEL:098-877-4940 / FAX:098-877-9958
ホームページhttp://www.kagamigaoka-sh.open.ed.jp/
校種肢体不自由
付属・学部小学部・中学部・高等部(普通)

鏡が丘特別支援学校浦添分校

学校名鏡が丘特別支援学校浦添分校
所在地〒901-2111 浦添市字経塚715
地図グーグルマップ
電話番号/FAXTEL:098-879-5590 / FAX:098-879-5609
ホームページhttp://www.urasoebunko-sh.open.ed.jp/
校種肢体不自由
付属・学部小学部・中学部・高等部

陽明高等支援学校

学校名陽明高等支援学校
所在地〒901-2113 沖縄県浦添市字大平488
地図グーグルマップ
電話番号/FAXTEL:098-870-1588 / FAX:098-870-1589
ホームページhttp://www.yomei-sh.open.ed.jp/
校種知的障害
付属・学部高等部
定員総合産業:20名
 令和5年度沖縄県立陽明高等支援学校 入学志願者 募集要項
令和6年度 沖縄県立特別支援学校高等部 入学定員

 沖縄市

泡瀬特別支援学校

学校名泡瀬特別支援学校
所在地〒904-2173 沖縄市比屋根5-2-20
地図グーグルマップ
電話番号/FAXTEL:098-932-7584 / FAX:098-933-0797
ホームページhttp://www.awase-sh.open.ed.jp/post-20.html
校種肢体不自由
付属・学部小学部・中学部・高等部(普通)

美咲特別支援学校

学校名美咲特別支援学校
所在地〒904-2153 沖縄市美里4-18-1
地図グーグルマップ
電話番号/FAXTEL:098-938-1037 / FAX:098-938-7700
ホームページhttp://www.misaki-sh.open.ed.jp/
校種知的障害
付属・学部幼稚部・小学部・中学部・高等部(普通)

 うるま市

沖縄高等特別支援学校

学校名沖縄高等特別支援学校
所在地〒904-2213 うるま市字田場1243
地図グーグルマップ
電話番号/FAXTEL:098-973-1661 / FAX:098-974-1680
ホームページhttp://www.okiko-sh.open.ed.jp/
校種知的障害
付属・学部小学部・中学部・高等部(普通)
定員就労技術コース:40名/福祉コース:10名
令和6年度 沖縄県立沖縄高等特別支援学校 入学志願者募集要項

中部農林高等支援学校

学校名中部農林特別支援
所在地〒904-2213 沖縄県うるま市字田場1570
地図グーグルマップ
電話番号/FAXTEL:098-973-3578 / FAX:098-973-3357
ホームページhttp://www.chuno-sh.open.ed.jp/
校種知的障害
付属・学部高等部
定員総合実務:10名
 ・令和6年度 沖縄県立中部農林高等支援学校(総合実務科) 入学志願者募集要項
・令和6年度 沖縄県立特別支援学校高等部 入学定員

 名護市

桜野特別支援学校

学校名桜野特別支援学校
所在地〒905-0006 名護市字宇茂佐1787-1
地図グーグルマップ
電話番号/FAXTEL:0980-52-3920 / FAX:0980-54-1488
ホームページhttp://www.sakurano-sh.open.ed.jp/
校種肢体不自由
付属・学部小学部・中学部・高等部(普通)

名護特別支援学校

学校名名護特別支援学校
所在地〒905-0006 名護市字宇茂佐760
地図グーグルマップ
電話番号/FAXTEL:0980-52-0505 / FAX:0980-54-1486
ホームページhttp://www.nago-sh.open.ed.jp/
校種視覚障害・聴覚障害・知的障害
付属・学部幼稚部・小学部・中学部・高等部(普通)
定員普通(産業コース):10名
沖縄県令和6年度 沖縄県立特別支援学校高等部入学定員

 糸満市

西崎特別支援学校

学校名西崎特別支援学校
所在地〒901-0305 糸満市西崎1-1-2
地図グーグルマップ
電話番号/FAXTEL:098-994-6855 / FAX:098-994-6856
ホームページhttp://www.nishizaki-sh.open.ed.jp/
校種知的障害
付属・学部幼稚部・小学部・中学部・高等部(普通)

 中頭郡

沖縄ろう学校

学校名沖縄ろう学校
所在地〒901-2304 北中城村字屋宜原415
地図グーグルマップ
電話番号/FAXTEL:098-932-5475 / FAX:098-932-8248
ホームページhttp://www.okiro-sh.open.ed.jp/
校種聴覚障害
付属・学部小学部・中学部・高等部(普通)

森川特別支援学校

学校名森川特別支援学校
所在地〒903-0128 西原町字森川151
地図グーグルマップ
電話番号/FAXTEL:098-945-3008 / FAX:098-946-5567
ホームページhttp://www.morikawa-sh.open.ed.jp/
校種病弱
付属・学部小学部・中学部・高等部(普通)

 島尻郡

沖縄盲学校

学校名沖縄盲学校
所在地〒901-1111 南風原町字兼城473
地図グーグルマップ
電話番号/FAXTEL:098-889-5375 / FAX:098-888-2547
ホームページhttp://www.okimo-sh.open.ed.jp/
校種視覚障害
付属・学部幼稚部・小学部・中学部・高等部(普通)・高等部(専攻科〈保健理療、理療〉)
定員保健理療:10名/理療:10名
令和6年度 沖縄県立特別支援学校高等部 入学定員

島尻特別支援学校

学校名島尻特別支援学校
所在地〒901-0411 八重瀬町字友寄160
地図グーグルマップ
電話番号/FAXTEL:098-998-8240 / FAX:098-998-7655
ホームページhttp://www.simajiri-sh.open.ed.jp/
校種知的障害・肢体不自由
付属・学部小学部・中学部・高等部(普通)

南風原高等支援学校

学校名南風原高等支援学校
所在地〒901-1117 沖縄県島尻郡南風原町字津嘉山1140
地図グーグルマップ
電話番号/FAXTEL:098-889-4618 / FAX:098-889-3667
ホームページhttp://www.haebaru-sh.open.ed.jp/
校種知的障害
付属・学部高等部
定員産業:20名
 令和6年度 沖縄県立南風原高等支援学校 入学志願者募集要項
令和6年度 沖縄県立特別支援学校高等部 入学定員

はなさき支援学校

学校名はなさき支援学校
所在地〒901-2304 北中城村屋宜原415
地図グーグルマップ
電話番号/FAXTEL:098-989-0192 / FAX:098-989-0193
ホームページhttp://www.hanasaki-sh.open.ed.jp/
校種知的障害
付属・学部小学部・中学部・高等部

やえせ高等支援学校

学校名やえせ高等支援学校
所在地〒901-0411 八重瀬町字友寄850
地図グーグルマップ
電話番号/FAXTEL:098-998-2401 / FAX:098-998-4697
ホームページhttp://www.yaese-sh.open.ed.jp/
校種知的障害
定員産業:10名
令和 6 年度 沖縄県立やえせ高等支援学校 入学者選抜募集要項
令和6年度 沖縄県立特別支援学校高等部 入学定員

 離島(石垣・宮古島・久米島)

大平特別支援学校久米島高等学校分教室

学校名大平特別支援学校久米島高等学校分教室
所在地〒901-3121 久米島町字嘉手苅727
地図グーグルマップ
電話番号/FAXTEL:098-985-2233 / FAX:098-985-3168
ホームページhttp://www.ohira-sh.open.ed.jp/
校種知的障害
付属・学部高等部(普通)
定員普通:10名
令和6年度 沖縄県立特別支援学校高等部 入学定員

宮古特別支援学校

学校名宮古特別支援学校
所在地〒906-0002 宮古島市平良字狩俣4005-1
地図グーグルマップ
電話番号/FAXTEL:0980-72-5117 / FAX:0980-72-5320
ホームページhttp://www.miyako-sh.open.ed.jp/
校種知的障害・肢体不自由・視覚障害・聴覚障害・病弱
付属・学部幼稚部・小学部・中学部・高等部(普通)

八重山特別支援学校

学校名八重山特別支援学校
所在地〒907-0243 石垣市字宮良77
地図グーグルマップ
電話番号/FAXTEL:0980-86-7345 / FAX:0980-86-8113
ホームページhttp://www.yaeyama-sh.open.ed.jp/
校種知的障害・肢体不自由・視覚障害・聴覚障害・病弱
付属・学部幼稚部・小学部・中学部・高等部(普通)

 特別支援学校(高等部)卒業後について

特別支援学校高等部卒業後の進路について
特別支援学校卒業後の進路について

 <注意点>卒業資格はその後の方向性により2種類(中卒or高卒)

 特別支援学校(高等部)卒業後の進路選択には、注意しなければならないことがあります。それは「進路によって学歴が異なること」です。

「えっ、何を言ってるのか、わからない」

「高等部卒なら高卒じゃないの?」

 普通ならそう思うでしょう。ですが、こと特別支援学校に関しては違うのです。
 あまり認知されていないので、必ず覚えておきましょう。

就職を選ぶ場合⇨中卒扱い

 就職を選んだ場合、最終学歴は「特別支援学校高等部卒」となります
 障害者雇用で就職しようとする場合、「『中卒扱い』になる」ので高卒求人には応募することができません。そのため、清掃などの肉体労働系がメインで、給与が低くなってしまうことが多いです。
 ただ、一般雇用枠で就職する場合、企業によっては「『高卒扱い』になることもある」そうです。ですが、これはあくまでも「可能性の話」なので、詳しくは実際に企業に聞いて頂くことをオススメします。

進学を選ぶ場合⇨高卒扱い

 一方、進学を選ぶ場合、「高卒と同等扱い」になります
 恐らく「特別支援学校高等部を卒業した身障者でも大学入学の資格がある」とするための措置なのではないかと思います。

 進路

 文部科学省によると、卒業者の進路状況(平成30年3月卒業者)は、以下のとおりです。

  • 進学者:427人(2.0%)
  • 教育訓練機関等入学者※¹:342人(1.6%) 
  • 就職者:6,760人(31.2%)
  • 社会福祉施設等入所・通所者:13,241人(61.1%)
  • その他:887人(4.1%)

 ※¹ 専修学校(専門課程)進学者、専修学校(一般課程)等に入学した人及び公共職業能力開発施設等に入学した人のこと

 進学

一般大学への進学

 前述の進路状況からも分かるように、特別支援学校高等部を卒業して進学する方は『全体の約2%』と非常に少ないのが現状です。
 もしも大学進学を視野に入れている場合、早い段階から学校側に相談して、対応してもらえるかどうか確認しておくことが重要です。
 またオープンキャンパスなどを通じて「進学希望先の大学は生活面などから見て、入学してやっていけるかどうか?」などを事前に調べておくことも必要になってきます。

新しい選択肢「福祉型カレッジ」

 (※厳密には進学ではありませんが、あえてこのジャンルに入れてあります
 以前であれば、「特別支援学校を卒業=即就職」という選択肢しかありませんでした。しかし、卒業したからといって、必ずしも社会で働いていけるスキルを身につけているとは限りません。そこで誕生したのが「福祉型カレッジ」です。
 名前に「カレッジ」と付いていますが、制度上は「障がい者総合支援法にもとづく自立訓練(生活訓練)事業と就労移行支援事業を組み合わせた多機能型事業所」となっています。
 特別支援学校に加えて福祉型カレッジを経由することで、より社会で活躍するスキルを身につける「時間」が出来ます。
 少し調べたところによると、『ゆたかカレッジ』『ウィックカレッジ』『カレッジまどか』『JOB’s COLLEGE(ジョブズカレッジ)』などがあるようです。
 今はまだ福祉型カレッジは少ないですが、将来的には障がい者にとって一般的な進路になっているかもしれませんね。

 就職

 前述のように、特別支援学校高等部卒業生の約3割が企業に就職しています。
 基本的に特別支援学校は「自立」という観点から授業のカリキュラムを立てているので、「就職=自ら稼いだお金で生活できる⇨自立」と考えていることも要因かと考えられます。
 ちなみに「障害者手帳がある方は必ず障害者雇用枠しか応募できない」ということはありません
 選択肢としては「一般雇用枠(オープン/クローズド)」「障害者雇用枠」の2つがあります。ご自身の障害を考慮して判断しましょう。

一般雇用枠(オープン/クローズド)

 障害者雇用枠と比べると、選べる職種の種類・幅は広いです。
 一方、「健常者も応募できること」や「障がい者への配慮などがない」など、特別支援学校の卒業生にとっては、あまり現実的ではない選択肢といえるでしょう。
 たとえ面接時に障害を告白してオープンで就職できたとしても、「実際に入社して働いてみたら折が合わない」といったことも多いかと思います。
 あくまでも「健常者を前提とした求人」ということを肝に銘じておきましょう。

障害者雇用枠

 一般雇用枠とは異なり、求人を出している企業としても障がい者をターゲットにしているため、「障がい者への配慮などが大前提」としてあります。
 ここが、前者の一般雇用枠とは一番の違いかと思います。また「障害者手帳を受給していること」が障害者雇用枠に応募する際の必須条件になります
 障害者求人を探すには「公共職業安定所(ハローワーク)」がオススメです。他にも「障害者雇用バンク」「atGP」などがあります。

 就労移行支援の利用

 就労移行支援とは「障がい者が一般企業での就労を目指して、必要なスキルや知識を磨くための場所」です。また就労後、6ヶ月間のフォローアップもあります。

福祉的就労就職

 福祉的就労就職には、「就労継続支援A型事業所」と「就労継続支援B型事業所」の2つがあります。ご自身の体調や状況を鑑みて選択しましょう。

就労継続支援A型事業所(雇用型)

 雇用契約を結んでいるので、お住まいの都道府県の最低賃金が保証されていることが特徴です。後述の就労継続支援B型事業所と比べて、より一般就労に近い勤務形態です。

就労継続支援A型事業所ONE STEP(ワンステップ)

 実は、ONE STEPにも特別支援学校高等部を卒業された方が入社されています
 Instagramなどを中心としたITスキルを身につけて就職したいと考えている方は、ぜひ一度、ONE STEPへ見学しにきてください。
 ネット社会が成熟した昨今、習得した技術次第では在宅勤務などの道も拓けてきますよ。
 興味が湧いた方は、ぜひ当ホームページへ!

就労継続支援B型事業所(非雇用型)

 雇用契約を結んでいないため、お住まいの都道府県の最低賃金を下回ることが多いです。ただ、週1日×1時間勤務など柔軟な働き方ができるのが特徴です。

 社会福祉施設などの利用

障害者支援施設

 進学や就職が難しい方が利用する施設です。
 障害が重く介護や入浴、排泄などの援助が必要な方が入所しています。
 入所の対象者は、「50歳未満の場合は、生活介護を受けていて、障害者程度区分が4以上」「50歳以上の場合は、障害者程度区分が3以上」などが該当します。
 似たようなもので「障害者グループホーム」というものがあります。
 色々と違いがあるのですが、「日中も支援を受けられる=障害者支援施設」「日中は就労継続支援A型事業所などに出向いている=障害者グループホーム」と覚えていただければ良いかと思います。

 進路は、子どもにとっても保護者にとっても大事な選択

障害者当人にとっても保護者にとっても大事な進路
障害者当人にとっても保護者にとっても大事な進路

 いかがだったでしょうか?
 「特別支援学校」がどういうものか、大体は理解していただけたかと思います。
 ただ、文章だけではなかなか具体的なイメージが湧かないかもしれません。
 そんなときは、ぜひ特別支援学校のサイトや学校説明会に足を運んで見ることをおすすめします。学校行事などの様子を知ることで、より明確なイメージができるでしょう。
 当記事が少しでも参考になれば幸いです。

 今回の記事の執筆担当は、就労継続支援A型事業所ONE STEP(ワンステップ)のヒラヤマでした。

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就労継続支援A型事業所ONE STEP 利用者のヒラヤマです。 サッカー鑑賞が趣味で、生粋の猫派。 ブロク記事執筆は初めてですが、少しでも読みやすい内容を目指して日々努力中! よろしくお願いします

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