- 2024年11月22日:投稿
就労定着支援を始めました!
私たちの事業所のサポート内容をご紹介します
みなさん、こんにちは!
就労継続支援A型事業所ONE STEP利用者のヒラヤマです。
今回は、就労継続支援A型事業所ONE STEP(ホームページ/Instagram)で新しく始まった「就労定着支援」について、少し詳しくお話ししたいと思います。
就労定着支援は、就職した方が仕事を長く続けられるようにサポートする制度です。
職場に慣れない方や、体調や生活の問題で仕事の継続が難しい方でも、自信を持って働き続けられるように、さまざまな支援を提供しています。
この記事では、就労定着支援の特徴や、具体的なサポート内容を紹介し、どのように皆さんが仕事に定着していけるかについても触れています。
就職後の不安や心配事が少しでも減るように、支援の全体像をわかりやすくお伝えしていきますので、ぜひ最後までご覧ください!
- 就労定着支援って何?
- 就労定着支援の具体的なサポート内容
- 就労定着支援の利用料金(自己負担月額)
- 就労定着支援のメリットとは?
- 就労継続支援A型事業所ONE STEPの就労定着支援について
- 就労移行支援と就労定着支援の違い
- 就労定着支援を上手に活用して長期就業を実現しよう
- 参考URL
就労定着支援って何?
まず、「就労定着支援」という制度について詳しく説明します。
就労定着支援とは、就職した方が職場で安定して働き続けられるように支援するために設けられた福祉サービスの一環です。
就職は一つのゴールですが、その後、職場で働き続けていくことにも多くの課題が存在します。
新しい職場での人間関係や業務に慣れること、生活リズムを整えること、そして仕事を続ける中で自分に必要なスキルを磨いていくことなど、就労定着にはさまざまな努力が必要です。
この「就労定着支援」では、支援員が職場や家族と連携しながら、就労者が安定して働き続けられるようにサポートを提供しています。
実雇用率と雇用されている障害者の数の推移
厚生労働省が発表した令和4年 障害者雇用状況の集計結果によると、障害者の雇用状況は以下のように変動しています。
身体障害者 (万人) | 知的障害者 (万人) | 精神障害者 (万人) | 実雇用率 (%) | |
令和4年 (2022年) | 35.8 | 14.6 | 11.0 | 2.25 |
令和3年 (2021年) | 35.9 | 14.1 | 9.8 | 2.20 |
令和2年 (2020年) | 35.6 | 13.4 | 8.8 | 2.15 |
令和元年 (2019年) | 35.4 | 12.8 | 7.8 | 2.11 |
平成30年 (2018年) | 34.6 | 12.1 | 6.7 | 2.05 |
平成29年 (2017年) | 33.3 | 11.2 | 5.0 | 1.97 |
平成28年 (2016年) | 32.8 | 10.5 | 4.2 | 1.92 |
平成27年 (2015年) | 32.1 | 9.8 | 3.5 | 1.88 |
平成26年 (2014年) | 31.3 | 9.0 | 2.8 | 1.82 |
平成25年 (2013年) | 30.4 | 8.3 | 2.2 | 1.76 |
民間企業に義務付けられた障がい者雇用率が2%から2.3%に引き上げられたことにより、民間企業での障がい者雇用はゆっくりとですが確実に増加しています。
その一方で、職場環境の変化への適応が難しいと感じたり、職場でのコミュニケーションに不安を抱えたり、キャリアアップに関する希望や悩みを持つ人も多くなってきています。
就労定着支援は、こうした職場でのさまざまな課題に対して、解決をサポートするための制度です。
就労定着支援の具体的なサポート内容
では、この就労定着支援が具体的にどのようなサポートを行っているのか、4つの柱に分けて説明していきます。
1. 丁寧なカウンセリングと面談サポート
就労定着支援では、まず就労者の悩みや不安をしっかりと受け止めるために、定期的なカウンセリングや面談を行います。
新しい環境での不安や戸惑いは誰にでもあるものです。しかし、こうした悩みを一人で抱え込んでしまうと、仕事へのモチベーションが低下してしまうこともあります。
そのため、支援員が丁寧にお話を伺い、「職場でどんなことが不安か」「今どんな悩みがあるのか」などを共有していただき、一緒に解決策を見つけていきます。
また、職場の人には話しにくいことや、今すぐには言えない不安についても、支援員に気軽に相談できる環境が整っています。
2. 職場との連携・サポート
職場との密な連携も、就労定着支援の重要なサポートの一つです。
仕事を続けるうえで、職場環境や同僚・上司との人間関係は非常に大切なポイントです。
とくに新しい職場では、なかなか自分の意見を伝えづらい場合もあります。
こういったときに、支援員が職場との橋渡し役を担い、職場の環境が就労者にとって働きやすいように調整を図ります。
たとえば、「業務内容が多すぎて負担になっている」場合には、職場の方と相談し、業務量の調整をお願いしたり、業務の進め方に関するアドバイスをもらうこともあります。
支援員が職場との調整役として入り、就労者が安心して仕事に集中できる環境を整えます。
3. スキルアップ・職場での困りごとのサポート
次に、スキルアップや業務に関するサポートです。
就労者が自分の力で仕事を続けられるようにするためには、職場で必要なスキルを少しずつ磨いていくことも大切です。
たとえば、「もっと効率よく仕事を進めたい」「職場の方とうまくコミュニケーションをとりたい」といったご希望にも応じ、支援員が適切なアドバイスを行います。
また、業務に関する困りごとがある場合にも、どのように解決できるかを一緒に考え、時には具体的な改善方法を提案します。
このようなスキルアップサポートによって、就労者が自信をもって働き続けることができるようになります。
4. 生活全般のサポート
仕事だけでなく、生活全般に対するサポートも就労定着支援の重要な部分です。
安定して働き続けるためには、生活面が整っていることが大切です。
たとえば、生活リズムの見直しや金銭管理に関するサポート、食生活や健康面についてのアドバイスなど、生活全般のサポートを行います。
生活の基盤が整えば、仕事に集中しやすくなり、気持ちの面でも安定します。
就労定着支援の利用料金(自己負担月額)
就労定着支援は、国が提供する障害福祉サービス事業にあたるため、利用料金が発生します。その金額は以下のとおりです。
世帯の収入状況 | 利用にかかる費用 | |
生活保護 | 生活保護受給世帯 | 0円 |
低所得 | 市町村民税非課税世帯※¹1 | 0円 |
一般1 | 市町村民税課税世帯(所得割16万円※²未満) ※入所施設利用者(20歳以上)、グループホーム、ケアホーム利用者を除きます※³ | 9,300円 |
一般2 | 上記以外 | 37,200円 |
- 3人世帯で障害者基礎年金1級受給の場合、収入が概ね300万円以下の世帯が対象となります。
- 収入が概ね600万以下の世帯が対象になります。
- 入所施設利用者(20歳以上)、グループホーム、ケアホーム利用者は、市町村民税課税世帯の場合「一般2」となります
就労定着支援の利用期間
就労定着支援の利用期間については、以下のようなルールが設けられています。
1. 基本的な利用期間
就労定着支援は、最長で3年6か月まで利用できます。この期間は、支援を受けながら安定して働き続けるためのサポートを受けることができる期間です。
2. 利用開始後の流れ
初めの6か月
就職後、最初の6か月間は、これまで利用していた「就労移行支援」や「就労継続支援」などの事業所が引き続き支援を行います。職場に慣れるまでのサポートがこの期間に行われます。
その後の支援
6か月後も支援が必要な場合は、「就労定着支援事業」に申し込み、最大で3年間まで利用可能です。この期間は、就労定着支援事業所が継続的にサポートを行います。
お住まいの都道府県の就労定着支援事業所を探すには、こちらのサイトで検索してみることをオススメします。
3. 支援の更新
就労定着支援を受けている間、利用者は毎年1回、支援の更新手続きを行う必要があります。
この更新手続きで、支援が継続的に必要かどうか、またどのような支援が必要かを再評価し、必要に応じて支援内容が調整されます。
就労定着支援のメリットとは?
就労定着支援の大きなメリットは、就職後も継続的にサポートが受けられるという点です。
就職をゴールにするのではなく、就職後も「働き続けられるようにする」という視点で支援が行われるため、困難な状況に直面した場合にもすぐに相談できる安心感があります。
さらに、職場だけでなく生活全般をサポートしてくれるため、総合的な支援が受けられます。
就労者の安心と安定を支え、少しずつ自立へと向かっていけるように導くのが、就労定着支援の魅力です。
就労継続支援A型事業所ONE STEPの就労定着支援について
さて、ここまで「就労定着支援」の一般的な内容についてご説明しましたが、最後に私たち就労継続支援A型事業所ONE STEP(ホームページ/Instagram)の支援について少しだけご紹介します。
私たちA事業所では、就労定着支援の開始にあたり、以下のようなサポートを心がけています。
定期的な面談とフォロー
就労者の方が安心して働き続けられるよう、定期的に面談を行い、心のケアにも力を入れています。
職場とのスムーズな連携
職場とこまめに連絡をとり、就労者の方の業務内容や環境に関する要望に迅速に対応できるよう努めています。
生活面での相談窓口
就労者の生活が安定するよう、就業だけでなく生活全般のサポートについても気軽に相談できる窓口を用意しています。
就労継続支援A型事業所ONE STEPより
就労定着支援の指定を受けるまでの苦労
まず「就労定着支援」という制度も知らなかったので、その制度の理解から始めなければならず、情報の収集や厚労省の資料を読み漁るのはとても大変でした。
担当になるためには理解した上で利用希望者に分かりやすく説明できる必要があると考えていたので、自分の中に落とし込む作業に時間をかけました。
指定を受けるに当たり落とし込みの作業と同時進行で必要書類を揃える必要があり、そこもかなり神経を使っていました。
那覇市に申請を行う場合、35項目ほど必要書類を揃える必要があり、代表や他の職員の協力を仰ぐことも必須でした。
普段の業務に加え不備なく書類整備を進めていくことと、那覇市の申請における段取り(事前協議といって、申請前にまず那覇市の申請担当者へこれから申請するつもりですよと一部の書類を準備した上で面談を受ける必要があったり、その事前協議で指定要件の確認のため追加書類を求められたりします。)、その段取りを経て指定を受けたい期日までに書類作成者のスケジュールを調整しながら進めることが一番苦労しました。
おかげで会社の設立に必要な書類や指定を受ける際に必要な書類、市町村が指定を受けるに当たり何を求めているのかを理解できましたし、指定基準をクリアするために分厚い参考書を読む力も付きました。
一職員だったときより運営の視点も含めた全体を把握する力がついたと思います!!
意気込み
就労定着支援はワンステップから卒業していくメンバーに対して、ワンステップで順調に働いていた状態を維持できるよう、卒業後も安心して一般就労してもらうための良い活用資源だと思っています。
また、卒業に向けた不安や葛藤、就職後の課題解決の一つの支え役として存在しています。
就労定着支援があることを安心材料として、本人も、そして受け入れる企業も気持ちよく働き社会の一員として活躍できる状態を実現できればいいなと思っています。
特にワンステップはIT特化の訓練を行っているので、マンパワーに頼りすぎず、様々なツールを紹介しお仕事や生活の効率化を図ることでゆとりある暮らしに繋がるサポートも出来るといいなと思います!
就労移行支援と就労定着支援の違い
これまでの説明で、就労定着支援について大体は理解していただけたかと思います。
そこで、もうひとつ覚えておいてほしい制度として「就労移行支援」が挙げられます。
就労移行支援と就労定着支援、いずれも障害を持つ方や支援を必要とする方が「働く」という目標に向けてサポートする制度ですが、それぞれ支援の目的や内容が異なります。
就労移行支援
具体的には、就労移行支援は、これから働き始める人に対して「働くための訓練」や「就職活動支援」を提供するものです。仕事に必要なスキルを身につけるための職業訓練や、職業適性を見極めるためのサポート、さらには面接の練習や職場でのコミュニケーションの取り方の指導など、就職に向けた準備が中心となります。
就労定着支援
一方、就労定着支援は、就職した後に仕事を長く続けられるように支援する制度です。
この支援があることで、職場での不安や悩みを誰かに相談できたり、職場でのコミュニケーションがスムーズになりやすくなったりするため、安心して仕事を続けやすくなります。
就労移行支援と就労定着支援の違い
就労移行支援と就労定着支援は、就職に向けた段階やサポート内容が異なりますが、どちらも安心して働き続けるために大切な制度です。
就労移行支援 | 就労定着支援 | |
主な目的 | 就職準備を整えるためのサポート | 職場での長期的な定着をサポート |
支援を受けるタイミング | 就職前 | 就職後 |
主な支援内容 | ・職業スキルの訓練 ・職業適性の見極め ・履歴書の書き方や面接練習 ・働き方の練習やトレーニング ・就職先の紹介や情報提供 | ・職場での悩みやトラブルへの相談対応 ・職場との調整と連絡 ・仕事に対するメンタルサポート ・生活面での支援 |
このように、就労移行支援と就労定着支援は、就職前後でそれぞれ異なるサポートを提供し、長期的に安定して働ける環境を整えるために役立ちます。
どちらも利用することで、就職準備から職場定着まで安心して働ける環境が整うため、ぜひ必要に応じて活用してみてください。
就労定着支援を上手に活用して長期就業を実現しよう
「就労定着支援」は、就職後も安心して働き続けられる環境をサポートする制度です。
新しい職場に慣れるまでには様々な課題がありますが、支援員のサポートがあれば、困難も乗り越えていけるでしょう。
就労継続支援A型事業所ONE STEPで「就労定着支援」が始まったことにより、ヒラヤマを含む利用者にも恩恵があることは明らかです。
ヒラヤマが就職した際にも、ぜひ利用したいです!