- 2024年11月13日:投稿
失業保険はあなたの生活をサポートする心強い制度です
皆さん、こんにちは。
就労継続支援A型事業所ONE STEP利用者のヒラヤマです。
「失業保険」と聞くと、どんなイメージを持っていますか?
もしかしたら、少し難しいとか、詳しく知らないかも…という方もいるかもしれません。でも、失業保険は仕事を辞めたときに生活をサポートしてくれる、とても大切な制度です。
転職活動をする期間に、経済的な不安を少しでも軽減できる手助けをしてくれるんです。
この記事では、失業保険がどんな仕組みで、どうやって申請し、どれくらいのお金がもらえるのか、簡単にわかりやすく説明していきます。
これを知っておくと、いざという時に安心して行動できますよ!
では、さっそく失業保険について一緒に学んでいきましょう。
- 会話形式で学ぶ「失業保険」について
- 1.失業保険をもらうための条件
- 2.失業保険の給付額の計算方法
- 3.失業保険の申請手続き
- 4.給付開始までの待機期間
- 5.再就職手当の給付
- 6.失業保険と税金・社会保険の関係
- 7.職業訓練
- 8.高齢者や特別な状況の人への支援
- 9.失業保険の重要性と活用法
- 10.失業保険のよくある誤解
- 11.まとめと今後のステップ
- 失業保険をしっかり理解して、安心して次のステップへ
会話形式で学ぶ「失業保険」について
「失業保険について知りたいんですが、内容が複雑で、ちょっとよくわからなくて…。」
「失業保険については、確かに少し難しいところもあるけど、基本的な流れを理解すれば、それほど難しくないよ。今日は、失業保険の条件、給付額、手続きの流れなどを一つずつ話していこう。」
1. 失業保険をもらうための条件
「まず、誰が失業保険をもらえるのか知りたいです。どんな条件があるんですか?」
「失業保険をもらうためには、まず雇用保険に加入していることが条件だよ。それと、いくつかの基準をクリアする必要があるんだ」
- 失業保険をもらうためには、一般的に12ヶ月以上、雇用保険に加入していることが必要。
- 失業の理由:自己都合退職(自分の意思で辞める)と会社都合退職(リストラや会社の都合で辞める)で、給付条件が異なる
「アルバイトでも失業保険がもらえるんですか?」
「そうだね、アルバイトやパートでも雇用保険に加入していて、週20時間以上働いていれば、失業保険をもらえるよ」
「なるほど、パートやアルバイトでも条件をクリアすればもらえる可能性があるんですね。」
2. 失業保険の給付額の計算方法
「次に、失業保険がどれくらいもらえるのか知りたいです。給付額ってどうやって決まるんですか?」
STEP1|賃金日額を計算する
「まず、賃金日額を計算する必要があるんだ。これは次の式で求めるよ」
- 賃金日額 = 離職前6ヶ月間に支払われた給与*の合計額 ÷ 180日
「給与にはどんなものが含まれるんですか?」
「通勤手当や役職手当は含まれるけど、賞与(ボーナス)は含まれないから注意してね。ただ、賃金日額には上限と下限があるから、計算した金額がその範囲を超えたら、上限または下限を使うよ。」
「その上限と下限ってどのくらいですか?」
離職時の年齢 | 上限額 | 下限額 |
29歳以上 | 14,130円 | 2,869円 |
30〜44歳 | 15,690円 | 2,869円 |
45〜59歳 | 17,270円 | 2,869円 |
60〜64歳 | 16,490円 | 2,869円 |
「これが上限と下限だよ。例えば、29歳以下だと上限が14,130円、下限が2,869円になるんだ。」
STEP2|基本手当日額を計算する
「次は何を計算しましょう?」
「次は基本手当日額を計算するよ。これは、最初に求めた賃金日額に所定の給付率を掛けて求めるんだ。」
- 基本手当日額 = 賃金日額 × 50〜80%
「給付率はどのくらいですか?」
「基本的には次のようになってるよ。」
賃金日額 | 給付率 |
2,869円以上、5,200円未満 | 80% |
5,200円以上、12,790円以下 (※離職時の年齢が60〜64歳の場合は11,490円) | 80%〜50% (※離職時の年齢が60〜64歳の場合は80〜45%) |
12,790円超 (※離職時の年齢が60〜64歳の場合は11,490円) | 50% (※離職時の年齢が60〜64歳の場合は45%) |
「なるほど! たとえば、賃金日額が5,000円だったら、80%で4,000円――ということですか?」
「そう! でも賃金日額が12,800円だったら、給付率は50%になるから、6,400円だね。」
離職時の年齢 | 上限額 | 下限額 |
29歳以下 | 7,065円 | 2,295円 |
30〜44歳 | 7,845円 | 3,110円 |
45〜59歳 | 8,635円 | 3,590円 |
60〜64歳 | 7,420円 | 3,230円 |
「この表も重要で、基本手当日額にも上限と下限があるから、計算結果がこの範囲を超えないようにしないといけないよ。」
STEP3|支給総額を計算する
「それで、最後はどうやって計算するんですか?」
「最後は、STEP2で求めた基本手当日額に給付日数を掛けると、支給総額がわかるんだ。」
- 支給総額 = 基本手当日額 × 給付日数
「給付日数はどうやって決まるんですか?」
「給付日数は、仕事を辞めた理由によって変わるよ。自己都合か会社都合かで違うんだ。」
離職時の年齢 | 雇用保険の被保険者だった期間 | ||
10年未満 | 10年以上20年未満 | 20年以上 | |
65歳未満 | 90日 | 120日 | 150日 |
「自己都合だと90〜150日ってことは、年齢によっても変わるんですね」
離職時の年齢 | 雇用保険の被保険者だった期間 | ||||
1年未満 | 1年以上 5年未満 | 5年以上 10年未満 | 10年以上 20年未満 | 20年以上 | |
30歳未満 | 90日 | 90日 | 120日 | 180日 | ー |
30歳以上 35歳未満 | 90日 | 120日 | 180日 | 210日 | 240日 |
35歳以上 45歳未満 | 90日 | 150日 | 180日 | 240日 | 270日 |
45歳以上 60歳未満 | 90日 | 180日 | 240日 | 270日 | 330日 |
65歳未満 | 90日 | 150日 | 180日 | 210日 | 240日 |
「会社都合の場合は、90〜330日まで幅があるよ。特に30〜50代は保障が手厚くなってるね。」
「じゃあ、失業手当を受け取れる期間は3〜4ヶ月くらいなんですね」
「そうだね、だから転職活動は計画的にやった方がいいよ!」
3. 失業保険の申請手続き
「失業保険をもらうための手続きって、具体的にどうすればいいんですか?」
「退職後は、まずハローワークに行くことが必要だよ。そこで、失業保険の申請をするんだけど、いくつか準備が必要だね。」
- 必要な書類
- 雇用保険被保険者離職票……退職から10日〜2週間後に前の勤務先から届く
- 個人番号を確認できる書類……マイナンバーカード、通知カード、個人番号記載の住民票のいずれか
- 身元を確認できる書類……運転免許証、マイナンバーカードなど
- 本人名義の預金通帳またはキャッシュカード……ネット銀行や外資系銀行は振込先として指定できない場合があるため注意
- 証明写真(2枚)……おおむね半年以内に撮影したもの、正面上半身、タテ3.0cm×ヨコ2.4cm
- 失業認定日
- 申請が終わっても、定期的にハローワークで失業認定を受ける必要があるんだ。失業中であり、就職活動を行っていることを証明しなきゃいけない。
「失業認定って、具体的には何をするんですか?」
「失業認定は、4週間ごとにハローワークで行うよ。主に、どのように就職活動をしているのかを報告するんだ。この認定がないと、失業保険が止まってしまうから注意が必要だよ。」
「認定をちゃんと受けないともらえないんですね。気をつけます!」
4. 給付開始までの待機期間
「失業保険は、すぐに支給されるんですか?」
「いや、少し待たなければいけないんだ。退職の理由によって、給付が始まるまでの待機期間や給付制限が違うんだよ。じゃあ、自己都合と会社都合の場合のスケジュールを見てみようか。」
自己都合退職の場合 | 申請 → 7日間の待機 → 3ヶ月の給付制限 → 支給開始 |
会社都合退職の場合 | 申請 → 7日間の待機 → 支給開始 |
「自己都合で辞めた場合は、3ヶ月もお金がもらえないんですか?」
「そうなんだ。自己都合の場合は、3ヶ月の給付制限があるから、その期間中は失業保険は支給されない。ただし、会社都合の場合は、7日間の待機期間を過ぎればすぐに支給が始まるんだ。」
5. 再就職手当の支給
「早く再就職が決まった場合、何か特典があるって聞いたんですが、それって何ですか?」
「それは再就職手当だね。もし、失業保険の給付期間が残っているうちに再就職が決まった場合、その残りの期間に応じてボーナスがもらえるんだよ。再就職が早く決まるほど多くもらえるから、これも表で確認してみよう」
再就職が決まった時期 | 支給される手当の割合 |
所定給付日数の3分の1以上残っている場合 | 70% |
所定給付日数の3分の1未満残っている場合 | 60% |
「再就職が早く決まると、もらえるお金が増えるんですね!」
「そうだね。だから、できるだけ早く再就職先を見つけると、経済的にも有利になるよ。」
6. 失業保険と税金・社会保険の関係
「失業保険をもらっている間、税金や社会保険はどうなるんですか?」
「失業保険自体は非課税だから、所得税はかからないよ。ただし、健康保険や年金の支払いは自分で行う必要がある。通常、会社で働いている間は、会社が保険料の一部を負担してくれるけど、失業中はそのサポートがなくなるんだ。」
「それってどうやって払うんですか?」
「主に2つの方法があるよ。」
- 国民健康保険に加入して自分で支払う。
- 家族の扶養に入ることで、保険料を支払わなくて済む場合がある。ただし、失業保険の金額が多い場合は扶養に入れないこともあるんだ。
「じゃあ、失業保険をもらっている間も、しっかりと健康保険や年金の支払いを考えないといけないんですね。」
7. 職業訓練
「失業保険をもらっている間に、職業訓練を受けることができるって聞いたんですけど、それはどういうことですか?」
「その通り!失業中に新しいスキルを身につけるために、ハローワークでは職業訓練を提供しているんだ」
「具体的には、どんな職業訓練があるんですか?」
「たとえば、以下のような職業訓練があるよ。」
- パソコンスキルの向上……基本的なITスキルから、プログラミングまで。
- 介護職の資格取得……高齢者や障がい者を支えるための専門的な訓練。
- ビジネスマナーやコミュニケーションスキル……就職活動での面接やビジネスシーンで必要なスキルを学ぶ。
「スキルを身につけながら、給付も受けられるのは嬉しいですね!」
8. 高齢者や特別な状況の人への支援
「失業保険は、高齢者の人にも適用されるんですか?」
「はい、65歳以上でも失業保険を受け取ることができる高年齢求職者給付金という特例があるんだ。これは、雇用保険に加入している高齢者が対象なんだよ。」
「それは具体的にどんな条件があるんですか?」
「高年齢求職者給付金をもらうためには、一定の加入期間が必要で、一般の失業保険と同様に、申請手続きが必要だよ。」
「じゃあ、育児や介護をしている人でも何か特別な支援があるんですか?」
「そうだね、育児や介護をしている場合、特別な制度があることもあるよ。たとえば、育児休業を取った後に再就職活動を行う場合、一定の条件を満たせば、支援を受けられることがある。」
9. 失業保険の重要性と活用法
「失業保険って、ただの生活費の補助ではなくて、次の仕事に向けた準備期間としての役割もあるんですね。」
「その通り! 失業保険を活用することで、焦らずに次の仕事を探すことができるし、職業訓練を受けたり、スキルを磨いたりする良い機会にもなるんだよ。」
「失業保険を受けながら、いかに次のステップを考えて行動するかが大切なんですね。」
「その通り。失業保険をもらっている間は、じっくりと自己分析をして、自分に合った職業を考える時間でもあるからね。」
10. 失業保険のよくある誤解
「失業保険についての誤解って何かありますか?」
「実は多くの人が、失業保険はもらえるのが当たり前だと思っているけど、条件や手続きを知らないと受け取れないことが多いんだ。特に、自己都合退職の人が多い誤解は、失業保険は簡単にもらえると思っていること。」
「自己都合の場合は、待機期間が長いことに注意しないといけないですね。」
「その通り。失業保険をもらうには、しっかりと条件を理解し、手続きをきちんと行うことが大切だよ。」
11. まとめと今後のステップ
「今日は失業保険についてたくさんのことを学びました! 具体的な数字や手続きの流れがわかって、とても助かりました。ありがとうございました」
「こちらこそ、質問が多くて楽しかったよ!失業保険について理解を深めることで、将来の計画に役立ててほしい。もし将来的に失業保険を受け取ることになったら、今日の内容を思い出して、しっかりと手続きを行ってね。」
失業保険をしっかり理解して、安心して次のステップへ
失業保険について、ここまでで基本的なポイントをお伝えしてきました。
失業保険は「お金のサポート」「再就職の支援」など、仕事を失ってしまったときに次のステップに進むための重要な支えとなります。
申請の手続きや金額の計算は最初は少し複雑に感じるかもしれませんが、分からないからといってスルーしてしまうには惜しい制度です。
なので制度を完璧に理解する必要はないにしても、「失業したら、即ハローワークに行って、失業保険の手続きをする」ということだけは、今回の記事を通じて覚えていただければいいのかなぁ、と思います。